内閣委員会議事録
平成18年5月26日(後半)
○ 佐藤委員長 次に、市村浩一郎君。
○ 市村委員 午前中に引き続き、質問させていただきます。
きょうは、警察庁長官にもお越しいただいていますので、警察庁長官といろいろ十五分議論させていただきたいと思います。
まず、昨今、この内閣委員会でも話題になっておりますが、いわゆる駐車違反の取り締まり強化が六月一日から行われます。
午前中、私は、逃げ得ということで飲酒運転に絡むことを申し上げましたが、ここでも、ある意味でいえば逃げ得が起こるような状況が生まれています。
何かといいますと、結局、申し出なかった、すなわち自分が運転者と申し出なければ点数を引かれない。要するに、放置違反金だけ、お金だけ払えばそれでいいんだということが許されるわけでありますから、恐らく多くの場合は、ステッカーを張られたところを見るともう名乗り出ないでいた方がいい、お金だけ払えばこれで済むんだから。もし名乗り出たら、あなたですか、はい、私ですと言ったら、では点数を引きますよ、こうなるわけですね。
私は、では厳しく取り締まれということではなくて、やはりフェアかどうかということなんですね。ほかの方は点数を引かれないのに自分は引かれる、また、自分は大丈夫だけれども、ほかの人はいいだろう、こういう社会になるのが一番まずいと思いまして、そういった意識を助長するようなことがあってはならない、私はこう考えておりますが、長官のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○ 漆間政府参考人 今回の新しい駐車法制についてでありますけれども、確かに委員おっしゃるように、今までは運転者個人の責任を問うという形でやってきたわけですが、今回は、運転者の責任を問うといっても、運転者が自分が運転していたとかいうことを実証しないと、なかなかそこのところの責任を問えないということもありますし、全体として、今までチョークで一回やって、もう一回チョークでやる、その間に自分で戻ってきたらぱっと逃げちゃうということでは、やはり駐車秩序に関して、国民が、自分たちが誤っていたんだということの認識が出てこないということもありまして、良好な駐車秩序をきちっと確立しようというのがねらいであります。
ただ、その際に、確かにいわゆる放置違反金の形に乗っかる場合には、これはいわゆる運転免許証上に影響してくる点数というのはつかなくなります。他方、放置違反金を何回か支払いますと、今度は、その車両を運転すること自体ができなくなるという命令がかけられます。これをどちらがいいととらえるのか、これはなかなか、人によって受けとめ方が違うのだろうと思うんですね。
私は、免許証自体を失効させるとか、そういう意味での点数をどんどんやるべきだというのも一つの考え方だろうと思いますし、ただ、実態として、そういう捜査をやっていくこと自体について、かなりの捜査力を食われるということを考えるとすれば、その分を、その車両の使用者に対して責任をとってもらって、何回か放置違反金を払ったという状態になれば、車両そのものも使えなくなってしまうというようにしてしまう、これも一つのやり方だと思っていまして、どちらがいいかというのは、なかなか、それぞれの主観的な判断だと思います。
私としては、今そういう方向でこの制度を進めていきたいということで、まず六月一日から始めたいと思っています。
○ 市村委員 今長官の方からどちらがいいかという話がありましたけれども、私は、基本的に、今回の考え方として、行政制裁金的な考え方をとったことについては賛成をしています。
私は、今ここであえて提言を申し上げますが、やはり警察が刑事罰としてやることではなくて、この駐車違反というのは地域への迷惑なんだと、迷惑料としての考え方をとって、これは行政制裁金的な考え方を徹底して、結局、刑事罰から外して、そして地方自治体が駐車違反の取り締まりを行う。つまり、町づくりの観点から行う、そこに置いておる場合、迷惑なんですから。
例えば、清掃活動をしている場合、清掃車が来た、ところが駐車違反の車があって邪魔である、結局清掃活動に支障が生ずるわけです。そういった場合に、アメリカなんかはそうですけれども、例えば清掃車を運転している方がステッカーを置いていくとかということなんです。そうすると、みんな納得すると思うんです。
要するに、一方で点数を引かれて、点数を引かれない、結局、刑事罰だからこうなるんですね。だから、もう点数は関係ない。放置車両については、駐車違反については、これは行政制裁金として、迷惑料として課しているという考え方をとる方が、私は一人の国民としても、一人の住民としても納得ができるなという思いがありますが、長官のお考えをお聞かせください。
○ 漆間政府参考人 今委員の御指摘にありましたように、放置駐車に関してこれを非犯罪化するというのも一つの考え方ですし、現実にそういうことをやっている国もございます。
ただ、今の日本の法制でいきますと、放置駐車をいかになくすかということに関して、このもとになっているのは、やはり放置駐車があるために交通事故が起こったりして、それがほかに影響する、あるいは死者も出しちゃう、そういうことを防止するということでありまして、そうなりますと、例えばスピード違反でもほかでも、みんな同じようなことになるわけです。
では、果たしてこれを非犯罪化するのかということになりますと、これもまた、なかなか、全体の考え方を整理するというのは非常に難しいということがありまして、とりあえず、ともかく放置駐車について、一つ行政制裁金を入れましょう。しかし、実際上、その放置駐車という原因をつくっているのは運転者でありますから、やはり運転者についても責任をとってもらいましょうという両制度を残して、運転者の責任を問うとすれば、他のスピード違反と同じように、やはりこれは罰則できちっと担保するという形をとらざるを得ないという一応整理をいたしました。
今委員から御指摘もありましたので、将来、これを今後どうしていくかということについては、またいろいろ考えてみたいと思いますが、当面そういう整理で、今回この制度を始めたものであります。
○ 市村委員 今の最後に、整理をしていただけるという話ですので、それをまた期待して、ただ、ぜひとも早い検討をお願いしたいと思います。
スピード違反のことも挙げられましたけれども、私はスピード違反はまた別だと思います。今、私の議論しているのは駐車違反のことでありますから、駐車に関しては、これは地域への迷惑料という形でするのが一番住民意識にも沿うかなと思います。そうしたら、結局点数に関係ありませんから、要するに、迷惑をかけたんだから違反金を払うんだ、これですっきりとすると思います。
あと、高過ぎると思いますので、なるべく違反金も低くするべきだと思います。なるべくそういうふうにして、単にお金を集めるのが目的だと私は思いませんが、そのようにとられかねないような話になっているというのは、先ほど田端委員の方からも三倍なんじゃないかという話もありましたが、今回のこの制度ができましたら、一時的には違反金の額は伸びると思いますが、ちゃんとやっていれば必ずがくんと下がるはずなんですね。こうならないとおかしいんです。
シートベルトのときも、結局はシートベルトだけで取り締まりはしない、しかし、シートベルトの使用率が五〇%を超えたら、シートベルトだけでも取り締まりをするといって、やって、結局、半年で五〇パーを超えたんですね、シートベルトを導入した途端に五〇%。ということは、半年できいたんです、シートベルトの規制は。
ということは、今回の駐車違反だって、僕はそれぐらいの速度できくはずだと思いますから、半年ぐらいは伸びたとしても、一年のスパンを見ると下がった、普通こうあるべきだと私は思います。ぜひとも、このまま上り続けるような一年間を考えたら、今までと三倍、四倍になりましたなどという報告を来年聞きたくありませんので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
それから、きょうはせっかく長官がお出ましされておりますので、あと五分間でございますが、長官、私も、初当選以来、内閣委員会に属させていただいて、もう二年半を過ぎたところであります。
最初、私は警察のことは余り関係なく内閣委員会に行かせてもらいたいと思って入ったんですが、結局、ここは警察の所管だということで、警察の、ある意味でいえば知りたくないようないろいろなものを知らざるを得ないような状況になってしまいました。
特に、裏金問題、鉢呂委員も熱心に細かく調査されてこの場で質疑をされておりますけれども、この問題、本当に何回も申し上げておりますが、もう早く終わりにしなくちゃいけないと思います。
それで、はっきり言って、一つのものが出て、それを調べますなんていっていたら終わるはずがないわけでありまして、こんなのは、見ている方が、もういいかげんにしてくれ、こういう気持ちであります。
ですから、今回のことは、実はこの裏金づくりというか、警察の方は裏金とは言いませんけれども、そういう慣行が、警察だけじゃなくて、恐らくこれまで、いろいろな委員会で質疑をされておりますが、結局、何か裏金化してそれを使うという慣行がどうも官の世界にはびこっていたと考える方が自然なんですね。残念ながら、警察も御多分に漏れずにそうであったということであります。
そういったあしき慣行があった、もうこれは認めていただいて、そして、やはりここで、すべて、きちっと、このことについては、過去についてこういうことがあったけれども、これは認めて反省する、しかし、今後については絶対ないということをこうやって公にするしかないと私は思うんですね。
一々やっていたら、ああ、愛媛県警、また北海道、さてどこどこ、ここここといって、また出てくるに決まっているんです。そのたびごとに、また国家公安委員長が、調査しないとわかりません、事実関係はよくわかりません、調査いたします、もうこんなことを繰り返して、どうにもなりません。我々税金を払っている国民の立場からすると、いいかげんにしてくれという話です。
ですから、ぜひとも、長官、ここはもう長官が、私は、長官もこれまでそうしたものに、長官が裏金を使っていると意識するとしないにかかわらず、何かしら職員の中で飲み食いしたとかあったときに、恐らくそれが使われた可能性が高いんですね。だから、であれば、別に長官がそれを知っていたとは言いませんけれども、知らないうちにそういうこともあったかもしれない。
ここはやはりお考えいただいて、そして、御自分が、漆間さんが長官のときに、これはもう断とう、これぐらいの思いでこのことに当たっていただきたい、このように私は思っておりますが、長官の思いをちょっと聞かせていただきたいと思います。
○ 漆間政府参考人 私は、一昨年の八月に警察庁長官になりました折に、私が緊急に解決しなきゃならない課題の一つとして、治安とそれから信頼の回復ということを挙げました。
信頼の回復ということを入れたのは、まさにその不適正な経理というのが北海道等で起こっていた。警察活動というのは、住民あるいは国民の協力なくして実効性のある警察活動をできないわけですから、やはりそういう信頼を取り戻さないと治安の回復にも結びつかないということもありまして、その治安と信頼の回復というのを喫緊の課題の一つとして挙げました。
それで、私としては、委員からいろいろお話がありましたが、つまり、警察組織が裏金に染まっていたというような、そういう実態にあるという、私自身の自分の経験の中でもそういうふうな意識はありません。
それから、確かに北海道、あるいは静岡、福岡、愛媛だ、高知だと起こっているとはいいます。しかし、その後、新たに国家公安委員会規則をつくって全都道府県警察を監査しておりますけれども、そこで新たに、具体的なこういう不適正な経理が行われたというのが出てきたというケースはございませんので、基本的には、私は、やはりそれぞれの都道府県警察でそれなりの慣行というのがあったんだろうと思います、特に北海道なんかの場合には組織的な不適正経理が明らかになってしまったわけですから。
そういう意味で、私は、こういうものに関しては、ともかく正すものは正す、それから返すものは返す、それから刑事処分も含めて処分すべきものは処分する、この姿勢で臨みます。この形で、ともかく早く不適正経理のことについて云々されないような、そういう形に持っていって、本来の意味の治安回復に専念できるようにしたい、こういうふうに考えております。
私がやらなきゃならない責任というのは、まさに、今愛媛だとか高知だとかいろいろ言われておりますけれども、そういうものも含めまして、ともかく不適正経理をこれから指弾されることのないような、そういう組織にしていくというのが私の責任でありますし、また、もし万が一そういうことが起こるのであれば、先ほど申し上げた三原則に従って、きちっと対応するというのが私の責任だと思っております。
○ 市村委員 もう終わりますが、今教育基本法が国会で審議されておりますけれども、やはり今、日本に足りないのは、当たり前のことが当たり前に行われないということ、つまり道理が通らないんです。あと、フェアじゃないんです。ある人にはよくても、ある人には悪いということになります。
ですから、警察がやはりここは率先して、道理が通るフェアな世の中にしていただきたいんですね。それが教育基本法を改正するよりも何百倍も何千倍も大きな効果を今の日本の子供たち、また日本の社会にもたらすと僕は思いますので、どうぞ長官、その思いを持ってお願いします。
では、質問を終わります。
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