内閣委員会
平成18年10月27日
○ 河本委員長 次に、市村浩一郎君。
○ 市村委員 民主党、市村でございます。
本日は一時間という時間をいただきまして、質問また議論をさせていただきたいと存じます。
きょうは、漆間警察庁長官お見えでいらっしゃいますので、ぜひとも、なかなか日ごろ長官とは議論できませんので、特に長官を中心に議論をさせていただきたいと存じます。
ただ、これまで私も、こういう議会に来させていただいて三年弱たちますが、内閣委員会に所属し、特に警察問題に、いろいろと皆さんの御指導をいただきながら取り組んでまいりました。
その中で、国家公安委員長の立場というか役割というのが、実はなかなか、思ったほど力がない、下世話な言葉で言えばそうだということがわかってまいりました。警察機構改革というのも今後やらなくちゃいけないと思いますが、きょうはそこの議論はせずに、もっと、今まで議論してきましたことにつきまして、また新たに国家公安委員長もかわられましたので、議論をさせていただきたいと存じております。
国家公安委員長に一度お尋ねしたいんですが、これまで過去、警察の不正会計疑惑、我々は裏金づくりをしているということで追及してきたわけでございますけれども、これにつきましては、前の前の前の小野国家公安委員長、前の前の村田国家公安委員長、また、前の沓掛国家公安委員長とも、所信の中できちっと、この問題についてちゃんとやっていくということを述べられていたんです。だんだんと行数も少なくなってきましたが、沓掛国家公安委員長も、「引き続き、警察改革の一層の推進及び会計経理の適正化を図ってまいります。」と、警察改革の一層の推進とまでおっしゃって、この問題について積極的に取り組もう、こういう思いが出ていました。
実際に、いろいろな当委員会のこういったやりとりの中でも、沓掛国家公安委員長としては何かしたいと、その前の村田委員長もそうでしたけれども、そういう意思は感じ取れたんですね。
ところが、今回の国家公安委員長の所信表明の中には一言もこのことに触れていなかったということでありまして、これは大変残念な思いをしておりますが、なぜ今回の所信の中には、今までのこの問題、お触れになっていないんでしょうか。
○ 溝手国務大臣 お答え申し上げます。
一連の不適正経理の事案を踏まえまして、適正な予算執行の確保は今後とも持続的に断行すべき警察改革の重要な推進項目の一つであると認識をいたしており、本委員会においても、私は、警察改革の一層の推進を図るということで申し上げたところでございます。
国家公安委員会といたしましては、会計経理の一層の適正化は国民の信頼回復に不可欠であると認識をいたしており、引き続き、厳重な監査の実施を初めとする所要の対応をして、適切になりますよう督励をしてまいりたいと考えております。
○ 市村委員 言ってきたとおっしゃっていますけれども、今初めておっしゃっていただいたので、これは別に悪いことではありません。今おっしゃっていただいたことはありがたいと思いますし、ありがたいというかあるべきだと思いますし、この内閣委員会を通して、また溝手国家公安委員長には、ぜひともこの件については、特段の御理解と、さらに、いろいろな指揮監督はできますので、警察庁に対して、今の警察に対する国家公安委員長の権能の中でできる限りのことはしていただきたい、このことをお願いしたいと思います。
さて、漆間長官、これまで私たちはいろいろ議論させていただきました。漆間長官は、いや、それは問題があれば言ってほしい、そうしたら適切に対応する、こういうことでありましたけれども、我々の立場は、我々の意見は、決してこれは、これまで出た北海道とか愛媛とか、そうした特定の地域の問題ではなくて、これは実は前の総理大臣の小泉さんもおっしゃっていたように、どうも全国的な問題であるということでとらえていただいた上で、この警察の不正経理問題、また、我々の言葉で言えば裏金問題をきちっと解決していただきたい、こういうことでやってまいりましたが、その後の警察庁における取り組みについて長官の方からお願いいたします。
○ 漆間政府参考人 今の御質問にお答えする前に、国家公安委員会の委員長は、所信的あいさつの中で「警察改革の一層の推進」は述べていますので、この場で初めて述べたということではございませんので、その辺のところはちょっと、私どもとしては御認識を改めていただきたいと思っています。
それから、これまで何度も、いろいろ議論をしてまいりました。いわゆる北海道とか福岡とか、それから静岡とか、起こっていますけれども、これは全国的に起こっている問題だというのであれば、全国でそれはいろいろな形で、具体的にこういう問題がありますよというのが出てきて初めてそれを認識する問題でありまして、したがって、私たちといたしましては、これは全国的な問題ではない。やはり当該都道府県警察のそれぞれが会計経理については独自のやり方をしておりますので、そこで、特定のところで起こったものであるという認識は、これは今でも変わっておりません。したがって、ここの点については、先生とは平行線のままだろうと思います。
ただ、平成十六年に、国家公安委員会規則で会計監査に関する規則ができました。これをもって、ずっと、全国警察に関して、原則として全部その年度中に監査を行うということでやってきておりまして、特定な、書類のつくり方について多少問題があったというケースはありましたけれども、裏金をつくっているとか、そういうような状況が出てきたことは、今まで、平成十六年以降の会計監査、警察庁で行う会計監査でも出てきておりませんし、それから、その後都道府県の監査委員の監査もありましたし、それから会計検査院の監査もありますが、特に特段の指摘を受けたこともございません。
したがって、我々としては、今後ともこういう事案が起こらないように、今打っている施策で足りなければまた新たな施策も打って、絶対に今後二度と起こらないように、万が一起こった場合には、いつも申し上げていますように、正すべきものは正す、返すべきものは返す、それから処分すべき者は処分するという、この方針で厳正に対応したい、こういうふうに考えています。
○ 市村委員 今の長官の中で、私の発言に対して、「警察改革の一層の推進」という言葉が入ったということでありましたが、これで今までの会計処理のいろいろな不適切なことについて読めということだったと思いますが、なかなか読めない。なぜならば、沓掛前国家公安委員長は「及び」ということで分けてあるわけです。ということは、こっちの、会計経理の適正化を図るということについては、これは今回あえて省いたという意識だと思いますので、読めないんですね。
だから、さっき冒頭で申し上げましたように、警察機構の改革とかを含めた警察改革の一層の推進というのは当然あるべきだというふうに思っています。ただ、私たちが今指摘している問題は、そうした大きな問題も、もちろん、これからといいますか、これまでもやってこなくちゃいけなかったんですが、いわゆる裏金問題と言われるものについて、しっかりとやはり警察は正しい認識を持っていただいて、そして国民に対してきちっと説明をしていただくことが必要だということを申し上げているんです。
それで、平成十六年度以降はないと、これまでこれだけ議論して、それでまだやっているというのは、それは当然ないと信じておりますけれども、私たちとしては、今の問題だけじゃなくて過去の問題にさかのぼって、やはりきちっと警察というものは、これまでのあり方をしっかりと反省し、その反省の上に立って、本来警察が立つべき国民の生活の安定と安全、安心というものに努めていただきたい、こういうふうな主張をさせていただいているわけであります。
その中で、今まで議論してきたんですが、過去のことについて、なかったと。いや、見つかったところだけは何かやったけれども、あとはないはずだというのでは、これは通らないと思います。というのも、警察を退職された方々がいろいろ本を出していらっしゃいます。また、いろいろな告発もあります。
その中で、私も素直に見ているんですよ。まさか、ないと思っておりましたけれども、素直に聞いていると、やはりあったんだなと。全国どこでも、いわゆる領収書を書かされて、そしてそれが裏金化していく。そして、捜査費という名目だけれども、ほとんど捜査員には渡らないということ。また、よく警乗費の問題もここで議論されています。実際はただで乗れる、ただで乗れるというか、ちゃんと届け出すれば電車にはただで乗れるのに、それを別に旅費を請求している。しかも、その旅費が本人に渡っていれば別ですけれども、本人には渡っていなくて、裏金化されている。いろいろな事例がここで出てきて、そして、これではだめだということを申し上げてきたわけです。しかし、それにもかかわらず、いや、それは一部のところの問題だというのでは、やはりこれは通らないと私は思います。
実は、これはもっと申し上げると、警察だけの問題じゃないと思うんですね。この間の岐阜県庁で起こった問題。やはり僕は、これは公務員といいますか、そうした税金を預かる部署でどうも広範に起こっている問題ではないか、起こってきた問題ではないかというふうに思うわけであります。
ですから、こうした観点から、まず警察が、前も申し上げましたけれども、警察が一番我々としては信頼したいところなんですね、こういう部分でいえば。なぜならば、不正を正していただく場所なんですから。それにもかかわらず、不正を正すべき場所だと私たちが信頼している場所が、そういう、私たちからすればそれはないだろうということをされていたとすれば、これは残念なことなんです。
だから、まずは警察がみずから襟を正していただいて、過去には確かに慣例としてこういうことがあったよということをやはりこれはお認めいただいて、その上で、しかしこれは広範に、警察だけの問題ではなかったということでありまして、実は税金を預かる部署でいろいろな問題が起こっていた。だから、それについてはこれは真摯に、税金を預かる部署が、役所ですけれども、行政ですけれども、官の世界ですけれども、これが真摯に反省した上で、もう二度とこういうことはしない、させちゃいけないという意味で、警察がまず率先してこのことについて反省をしていただき、かつ、事実を述べていただいて、そして、国民の前にしっかりと謝罪した上で、本来あるべき業務にしっかりと邁進していただく、こうすべきだと私は思うんです。
だから、私はその意味でも警察に期待をしているんですが、長官、いかがでしょうか。やはりこれは個別の、ある特定の地域の問題だと長官は御認識されるんでしょうか。
○ 漆間政府参考人 私どもは、先ほど申し上げた平成十六年からやっている会計監査についても、これは別に十六年を見ているわけじゃなくて、その前の分まで見ているわけです。
それから、前に起こったことについても、それは確かに、ここでも何回か申し上げたと思いますが、具体的にこういうことがあるから、それで不正じゃないかと言われれば、それはきちっと対応しますよと言っているわけです。
ただ、それが例えば物を言う人が、警察が聞こうとするとその人は全然、警察に対して調書を拒否するというような形になっていまして、そうすると、一体何を材料にして我々に対してそういうことを言っているのか、その辺のところがわからないわけですね。したがって、我々は、昔こういうことをやっていました、それが本当に裏づけがあってそうであるということが出てくるのであれば、先ほども申し上げたとおり、それは当然のことながら、その部分については正すべきものは正すという先ほどの原則に従ってやるわけであります。
したがって、そこのところは、何にもない、単なるうわさ、あるいは自分が昔こういうことを経験した、その程度の話だけですべて不正経理が蔓延していたんだというふうなところまで類推されるのは私はいかがかと思っていまして、したがって、前々から申し上げていますように、具体的な事実を指摘してくださいと。
だから、岐阜のケースについても、確かに、岐阜県のみならず警察もやっているんじゃないかというお話はありました。したがって、それについて、では岐阜県警の方でそういうことをやっているのかということを調べていますけれども、当然、今具体的にそういうものが出てきているという情勢でもありません。
それから、この前、警察をやめたある職員が、平成何年か、古い時代ですけれども、自分で領収書を書かされた、こう言っているわけですけれども、これについてもちゃんと対応するということを県警としてはしているんですが、相手は全然応じてくれない。一体、何を持っていて、どういうことがあるから私はこういうことをやらされたんだ、その辺のところをしっかり説明していただければ、私らとしては、それは自浄作用を発揮してきちっと対応したいというふうに思っています。
○ 市村委員 では、具体的に、愛媛県警における仙波さんの件をここで議論をいろいろしてきましたけれども、今の長官の発言の中で、うわさとか、過去に自分がこういう経験をしたからということではだめだとおっしゃいました。
うわさを信じてどうのこうのというのはだめだと私は思いますけれども、しかし、過去に自分が現職のときにこういう経験をしたということを持ってきて言うのは、まさに告発でありまして、これをもってしてだめだというのはちょっと違う。うわさと同列に、過去の自分の経験の中でこれだということは違うと私は思います。
具体的には、仙波さんという方がいろいろな自分の経験から、しかも現職警官です、現在まだ愛媛県警にいらっしゃいます。では、この方については一体どういう話をこれまで聞いてきたんでしょうか。この仙波さんの扱いについては、いろいろ疑問がわくような扱いをされていると私は思います。
また、チームについても、警察内部のチーム構成ではだめだと思うんですね。やはり外部の方を入れた上でしっかりやらなくちゃいけない。外部の方という意味では監査委員がいるわけですね。監査役がいるわけです。監査役が入った場合は、結構、警察の不正追及についてはきちっと暴露されているんです。公に出てきているんですね。だから、内部調査チームではだめだと思うんです。警察はちゃんとみずからを正しているんだ、こういうことを国民がしっかりと認識するためには、やはり外部のしっかりとした第三者を入れた上で調査しなきゃならない、このように思っています。
また、よく言われるように、警察というのは、警察家族といいますか一家と言われるように、非常に結束のかたい組織体をされているということもこの三年間で私が学ばせていただいたことの一つであります。ここは、自分たちの退職後の生活等々も警察が面倒を見てくれるということもあるものですから、本人もそうだし、家族も、父さん、あなた、そんなことを言ったらだめだということもあるということも聞いています。
だから、こうしたことも事実として皆さんにもっと知っていただく。そして、警察がみずから率先してそれを情報公開する。そして、これまで過去にこういうことがあったけれども、これからはないと。
警察というのは国民の安心、安全を守る大切な部署なんだから、そういった意味では、三年間で一万人、これだけ公務員を減らそうとしているのに、警察はふやすんですよ。こうしたことも含めて警察の大切さはみんな思っているわけですから、しかしそのためには、その前には前提として、まず警察に対する信頼回復を図る。その意味で、今まであったことを、いや、だれかが、前に勤めていたのが何か経験したことをちょっとぽつぽつ言った、そんなことで類推されたら困るとか、そういう態度ではなくて、もう少し、これだけいろいろな声が上がっているのであれば、やはり何かこれは、一地域の北海道や静岡や福岡とか愛媛の問題じゃない、どうも全国的な問題じゃないかというセンスを持つことが大切じゃないですか。
そういった意味では、前の小泉総理大臣はセンスを持っていたんです。どうもこれは全国的な問題じゃないかと前の総理はおっしゃっていたんです。
官房長官、済みません、きょうは通告していませんが、せっかく座っていただいていますので、今の議論を聞いていただいていかがですか。これは全国的な問題だと前の総理はおっしゃっているんです。
○ 塩崎国務大臣 先ほど来先生から御指摘の、警察の続く不祥事についてでございますけれども、これは、警察庁を管理するのは国家公安委員会ということでありますので、ここでしっかりと適正に対応してもらわなければならない、このように考えているところでございます。
○ 市村委員 溝手国家公安委員長がそれは当然担当だということでありますが、内閣官房、総理を実質上補佐する官房長官として、この警察の問題、これは国民生活という観点からきょうは内閣委員会でも質問させていただいていますから、単に警察の問題だけじゃないんですね。国民の安心、安全を守る部署であるだけに、一番深刻な問題だという思いでこれは議論しているんです。
一言、ぜひとも官房長官からも、これについてどう考えるかということは、何回も申し上げます、前の小泉さんは、小泉さん本人が、これはどうも全国的な問題ではないかという、断定じゃないですけれども、そういうセンスを持って言われていたということでありますが、いかがでしょうか。
○ 塩崎国務大臣 国民生活にとって安心、安全の一番身近なところが警察だと思います。我々、子供のころから、お巡りさんといえば、いつもどこかに回ってくれていて我々を見守ってくれる、何かあれば駆け込めるという交番があった。
最近は駆け込んでもだれもいない交番ということで空き交番がたくさんあって、これについての対策は順次打ってきているわけでありますけれども、やはり今先生御指摘のように、国民生活に対する安心、安全の提供の責任を負っている政府としては、警察に対する信頼感というものをもう一回取り直さなきゃいけないということで、いろいろなところで起きている不祥事については、この信頼感を崩す原因になっていると私も感じております。
構造的に問題があればそれもしっかり直し、そういったところについては、政府としても責任を持って、今申し上げたように、国家公安委員会も適正にきちっとした対応をするように私たちも見守っていきたい、このように考えております。
○ 市村委員 この問題については後ほどまた泉健太委員からもあると思いますし、時間も限られていますので、これについてはここで終わりにします。ただ、引き続き内閣委員会を通じてこの問題はやっていかなくちゃいけないと思っています。
それでは次に、この内閣委員会でも、いわゆる飲酒運転におけるひき逃げに対する逃げ得があるということをこの場でも私は言ってまいりました。
ようやく夏の福岡のあの事件から政府もやっとこさ重い腰を上げて、ちゃんとしなくちゃいけないと。ただしかしながら、これは来年の通常国会ということなんですね。ということは、普通は一般法については予算を上げてからということになりますから、これから半年以上あると思います。つまり、これだけ国民が逃げ得があるということを認識した上で、半年間以上がこれから経過することになるわけです。
漆間長官、この半年間の間に万が一また飲酒運転によるひき逃げ事件が起こった場合、これは一体だれの責任になるんでしょうか。
○ 漆間政府参考人 飲酒運転の問題に関して、ひき逃げというのがあります。当然、逃げ得を許さないということで、これに関しては、例えば飲酒ひき逃げをした場合についても、必ずしもその時点での検知が低くても、その前のときの段階ではどうであったか、どのくらいの飲み方をしていたかということになれば、その前の部分までちゃんと推測する数式が一応ございますから、それを適用して、それで危険運転致死傷罪を立件するという形で取り組んでいるわけであります。
それで、この問題について、法律ができない間に大きな事件が起こったらどうするかと言われますけれども、法律ができない間は、今の現在ある法令を使って、我々として最大限の取り締まりをする以外はないわけでありまして、そういう意味で、我々として最大限の取り締まりをするのが我々の責任である、こういうふうに考えているわけであります。
それに見合って、早目に国会で、絶対これを新たな法律としてつくるんだという意思決定がなされて、それでそういう法律ができるのであれば、我々は法を執行する機関でありますから、またそれはそれで対応することになると思います。
○ 市村委員 今、警察庁の判断では来年の通常国会ということであったので長官にお聞きしたんですが、長官の方から、国会がそういった意思を示せばいいんだということでありますので、この内閣委員の与党の先輩方、同僚の皆様も含めて、ぜひともまず、民主党が今回これについては法律を用意していますが、別に民主党案ということでなくても構いませんので、これは早目にしっかり対応するということでやるべきだと思います。これについてはこの辺にしておきます。
だから、ぜひともこれはこの国会中にでもやるべきだということでありますが、国家公安委員長、この件について一言御意見、お考えをお聞かせください。
○ 溝手国務大臣 今、警察庁が検討を開始して、一生懸命検討を続けているということは事実でございます。国会の意思が固まれば、いつでも対応するという準備もできていると伺っております。
○ 市村委員 長官がおっしゃらないので、私があえて言うことはないかもしれないんですが、実は、警察庁はこの四月から、何か検討委員会なのか検討する会議なのかを設けて、このことについて検討を始めていたということもお聞きしています。ですから、四月からですからもう既に大分時間がたっているということでありまして、ぜひとも、警察庁の考え方としても、また国家公安委員長の考え方としても、次の通常国会ではなくてこの国会でやる、こういう御決意で臨んでいただきたいなというふうに思います。
それで、いい例はちょうど、銀行のキャッシュカードが偽造されて引き出されるというのがありました。あれはすごく対応が早かったですね。前の通常国会ですぐやっちゃったんですね、数カ月で。やはり必要なことはやる。善は急げということもあります。やはり正しいことはすぐやるということだと思います。
先ほど長官はまともにお答えにはなりませんでしたけれども、やはりこれから通常国会までの間に、半年以上あれば、この間起きたらどうするんだということをなるべく早く、なるべくじゃない、絶対早目にやらなくちゃいけないという気持ちを持つか持たないかで全然違いますので、ぜひともそういう方向でこの件についてはやるべきだというふうに思います。
それから次は、駐車違反の取り締まりについてちょっと私は話をさせていただきたいと思います。
これもこの内閣委員会の場で、私は、駐車違反取り締まりをいわゆる株式会社に任せるのはいかがなものかということは言ってきたつもりであります。民営化ということ、また民間に委託するということについては決して反対じゃありませんが、株式会社でいいのかということはこの場で議論してきました。
今回、実際にどこに委託されたかという例を見ますと、何と駐車場の管理会社が駐車違反取り締まりの委託を受けているんですね。これはどう考えてもおかしいと私は思います。
なぜならば、取り締まりを強化すればするほど駐車場は使ってもらえるという、だれが考えても明確な関係がここにはあるんです。自分たちが利益を上げられる構造になるようなところが駐車違反の取り締まりを請け負っている、こういうのは、そもそも株式会社が請け負うのがおかしいという問題意識を持っていますが、それを百歩譲って、千歩譲って、仕方ないと思うにしても、利害が絡むところに任せるというのは、このセンスはやはりいただけないと私は思いますが、長官、この件についてはいかがでございますか。長官の方にお願いします。
○ 漆間政府参考人 放置駐車の確認義務については民間に委託するということになりまして、始めているわけでありますが、基本的には、特別な欠格事由があるとかいうような者でない限りは、競争入札によってどこがやるかということでありまして、その中で、そういう駐車場を管理しているところが落札した。それが何でおかしいんだという話になると、では、どこにそれが抵触するのかということだろうと思いますね。そして、抵触することで問題があるのであれば、それは契約の解除の原因にもなりますし、それから、当然のことながら、それは道路交通法の規定によって登録の取り消しの事由にもなります。だから、そういうことがあるのかどうか。
つまり、基本的には、いろいろなところに広く、ともかく競争入札で、入札に参加していただきましょう。どこが落札するかどうかというのはこちらが決めるわけにいきませんから、一定の欠格事由がなければそこには参加できるわけですから、その参加できるところが落札したといって、直ちにそれはおかしいじゃないかというと、ではそこは本当にそれでいいのかという話になります。
ただし、そこが本当におかしなことをやっているというのであれば、これは、欠格事由というよりも、むしろ契約条件に違反しますから、契約の解除になるだろうと思います。
だから、そういうようなことが起こっているのかどうかということだと私は思います。
○ 市村委員 では、欠格事由を決めたのは一体だれなんでしょうか。これはもう本当に何かむなしくなりますけれども、結局、自分たちで欠格事由を決めておいて、それにそぐわないからこれでいいんだというので、これで納得できるというのはおかしい話ですね。とても納得できる話じゃないと思います。
しかし、これ以上はむなしいから申し上げませんが、欠格事由を決めるときに、もっと欠格事由を決める以前の前提として、常識として、やはりこういうことは、利害が絡むようなところはやめておくべきだというのは常識だと私は思います。常識が働いていないとなると、もはや何も言うことはありませんけれども、こういうことがあるのであれば、情けないということです。
それで、そもそも私は、この場で申し上げましたが、もともとこれはどういう議論かというと、結局、駐車違反取り締まりは刑事罰ではなくて行政罰にしようという発想がこの駐車違反の民間監視員への委託ということにあったと思います、前提に。
行政罰にするということであれば、私は、一切警察は関係なくして、前も申し上げたんですが、自治体に任せた方がいいと思うんですね。そして、いわゆる迷惑料なんだと。自治体が町づくりを推進する、町の良好な環境を維持するためにここに車をとめてもらっては困るというような感じで、あと危険だし、また景観上も悪いしということで、自治体がやる。自治体が違反金というか迷惑料をもらう、迷惑料をもらってそれをまた町づくりに生かす。こういうふうにしたら、警察から一切なくなるんですね、この業務が。
実際に民間委託したからといって、実は警察の業務は減っていないんです。なぜならば、標章を張るところまでは民間委託ですけれども、あとの手続は依然として警察に残っているわけですから。ということは、警察のいわゆる人事配置の合理化といったものは全然行われていないんです。
では何のためにやったのかとなるわけですね。そうすると、やはり世間で言われるように、これは警察の天下り先かとなっちゃうんです、私はそれを信じたくないんですけれども。やはり普通に考えたらそういうふうになるんです、帰結として。
結局、二〇〇七年もある、これから十年で四割の警察官が交代されるんです、やめられて。十年に四割ですよ。十万人の警察官が交代されるんです。ということは、やめられる十万人の方のための、さっき申し上げました、警察一家として何とかして就職先を探さにゃいかぬ、そういう中での一環かというふうにみんな思っているんですね。そうとられかねないというか、とっているんです。
だから、そうじゃないんだ、警察は、やはり本来やるべき国民の安心、安全を守るために、OBの力もこういう形で活用させていただきたい。例えば、今もやっていらっしゃいます空き交番の解消というようなことにもOBの力をかしていただきたいとか、生活相談もそうだというような形でやるためには、またさらに、今の現職警察官の合理化を図るためには、これは、行政罰とせっかくおっしゃったんだから、あのとき誇っていらっしゃいましたよね、こんな行政罰の考え方をやるのは初めてだみたいなことを警察の方がおっしゃっていたのを私は覚えています。であれば、私は、もうこれは自治体に全部任せる、そっちの方がすっきりしていい。そして、合理化された人員については、今一万人ふやしていますけれども、さらにここで出てくる合理化された人員については、まさに警察の本来業務である安心、安全の維持、確保に回っていただきたい、こう思うわけですが、長官、いかがでございましょうか。
○ 漆間政府参考人 放置違反金の導入をしたのは、つまり、駐車違反をした場合に、運転者が実は自分ではないと言って、運転者の逃げ得を許すということがあるから、したがって、その逃げ得を許さないということで、使用者にも責任を問いますよと。ただしその場合も、運転者の責任、刑事責任というのが全くなくなったわけではなくて、運転者が自分でやりましたということになれば、これは運転者の刑事責任を問うことになるわけです。
駐車違反というのは、他のほかの違反と同じでありまして、駐車していることによって他の車の妨害にもなりますし、それがまたほかの事故を引き起こすということになるわけです。そうすると、他の違反については刑事罰で担保していて、駐車違反だけ刑事罰で担保しないというのはおかしな話でありまして、したがって、それはやはり両方とも刑事罰で担保するという前提のもとで、ただし、運転者については逃げ得を許さない、こういうことを考えて、放置違反金については使用者に対してかけていこうということであります。
だから、基本的な概念として、両方を刑事罰から外すんだ、すべてを。つまり、道路交通法違反はすべて刑事罰から外すということであればこれはまた一つの考え方だとは思いますが、駐車違反だけを何で外すのか。駐車違反が道路交通の妨げになっていないのか、それによって実際に死亡事故も起こっているわけですね。そういうときに、果たしてそれを刑事罰から外すのがいいのかということであります。
○ 市村委員 何といったらいいのか、そもそも、これは警察の皆さんの方が、行政罰的、的という言葉を使われていましたけれども、私が説明を受けたときは、最初は、漆間長官がおっしゃったことだけじゃなくて、そもそもの考え方として、誇られていたのは、行政罰的考え方を入れますということだった。あとは、警察業務の合理化、それで人員はほかのところに回せるということもおっしゃっていたんですよ。これは私が言ったことじゃないんです、警察の皆さんが私に説明されたことなんですよ。
だから、それを受けて、ではそういう思いがある、そこまで現実を見詰めながらやっていらっしゃるのであれば、僕は、駐車違反は行政罰とすればいいじゃないですかと。道路交通法全部をやるというなら、それはそれで議論だと思います。それならそれで議論しましょう。ただ、多分議論しても、では、スピード違反は、これを自治体にやれというと、恐らく普通、多くの国民の皆さんは、それはやはり警察でやってもらった方がいいんじゃないですかということになると私は思いますね。
だから、かなり、ああ言えばこう言うじゃないですけれども、極端な話をされていますけれども、道路交通法全部を改正するということじゃなくて、駐車違反の取り締まりについては、これは警察の皆さんもおっしゃっていたんだから、行政罰的なと言って的をつけていましたけれども、しかし、私の思いとしては、行政罰にすればいいじゃないか、こういうことがあっております。
これもまた引き続き議論をすべきだと思いますが、いずれにしても、この話についてはまた議論しなくちゃいけないということでありますから、特に、利害が絡むようなところに駐車違反の取り締まりを認めるということについては、ちゃんとやはり、おかしいという観点から見直しをしていただきたいと思います。
それから次に、スピード制限について、このことについてもこの場で私も議論をしてまいりました。
阪神高速北神戸線というところを例にとって言ってまいりましたが、この間、よそ見、わき見運転をして児童の列に突っ込んで、そして四人の本当に幼い子供の命が失われた事件がありました。あの道路は、私も確認しましたけれども、スピード規制は、いわゆる法定規制ということで六十キロ規制なんですね。それで、私がずっと問題にしてきた、一台も六十キロで走っていないと言った北神戸線も六十キロ規制なんです。これも、どう考えても常識に照らしておかしいだろうという思いがあります。
お聞きしましたら、警察としてもスピード規制の見直しについて今御検討いただいているということでありますので、やはりこうしたおかしいスピード規制についてしっかりと考え直していただきたい。
さっき後藤田委員から、今度はスピード規制の問題というよりも、車そのものを百キロ以上出さないようにすべきだというお考えもありました。それも含めて、車はある意味では凶器になり得る、命を失う、運転者だけでなくて人の命を奪う凶器になり得るという観点から、スピード規制についてもしっかりと全国的な見直しを進めていただきたいと思います。
やはり合理的なスピード規制じゃないと、つまり、一台も六十キロで走っていないのに六十キロ規制されて、だれが守っているか見ていないわけですよ。要するに、この速度規制の看板、六十という看板そのものがもう信頼がないわけです。こういうことでは意味がないわけですね。信頼が置かれない看板がそこに置かれてあるわけですよ、これ。無駄です。こんなもの置くのは無駄です。そんなもの置かない方がいいです。だから、ちゃんと、ここはこれぐらいのスピード以上出すと危ないですよという意味で置いていただきたいと思います。
諸外国を見ますと、同じ道路の流れであっても、ここは例えば百キロ、ここは八十キロ、ここは六十キロと、小まめにちゃんと分かれているところもあります。やはり、私は日本もそういう形にしていくべきだと思いますが、長官、一言お願いいたします。
○ 漆間政府参考人 この規制速度の問題については、前からもずっといろいろ議論があって、まさに先生がおっしゃるような見直しをした方がいいじゃないかということは当然ありました。それは、国民の声の中でもかなり大きな声だろうと思います。
法定速度、今、平場が六十、それから高速道路が百、こうなっていることについて、果たしてこれでいいのかということについては、確かにいろいろ検討する要素はたくさんあるということでありますので、そこで、今回そういう検討の場を有識者を入れて立ち上げまして、果たしてそれができるかできないか。
特に、法定速度を決める際には、道路の構造の問題だとか、それから設計速度というのがもともとありますから、この設計速度というのをどういうふうに評価するかという、これまた非常に大きな難しい問題があるんです。
そういうものを全部踏まえた上で、果たしてこれで法定の、今決まっている速度を変えていくことができるのかどうか、これは真摯に今後検討していきますので、その結果を待っていただきたいと思います。
○ 市村委員 ぜひとも早い、一年、二年とかじゃなくて、なるべく早い検討結果を出していただきたいと思いますが、一点だけ、今設計速度のことをおっしゃいましたけれども、長官はひょっとしたら御存じないかもしれませんが、その設計速度についても、この内閣委員会で議論しました。国土交通省さんにも来ていただいて、やりました。
国土交通省の考え方では、あれは規制速度とは全く関係ありません、規制速度は規制速度で、警察さんが実情に応じて決めればいいことであって、これを警察庁さんが、いや、設計速度があるからそれに準拠しているんだという言われ方をしているようですけれども、これについては関係ありませんということをはっきりと国土交通省は言っていましたので、そのことだけ、ぜひとも長官、認識に入れていただきたいと思います。これはこの場でやっています、この場で。
いや、もういいです、ちょっと時間がないので、済みません。時間がないので、済みません、申しわけない。委員長、済みません。
それで、塩崎官房長官いらっしゃっていますけれども、ちょっと一点だけ、緊急ですけれども、今、尖閣諸島に香港の活動家を乗せた船が向かっているということですが、着いたんでしょうか、着いていないのでしょうか。それから、着いたとした場合に、またこれについて、官房長官のお考えを一言お聞かせ願いたいと思います。
○ 塩崎国務大臣 けさ九時二十一分に、我が国の領土である尖閣の領域内に、領海内に入ってきたということでございます。当然のことながら、我が国固有の領土でありますから、海上保安庁がずっと並走し、また放水もして警告をしてきたわけでありますが、そういったことになってまいりました。
今後どうするかということでありますけれども、先方が上陸をしようとかそういうときには、あるいはもう既に領海に入っているわけでありますから、これは適切に排除をしていくというのが当然のことだと思っております。
○ 市村委員 ぜひとも、我が国の領土という観点から対応していただきたい、このように思います。
それで、あと残りの十五分をかけてやりたいのは、実は介護殺人のことであります。
きょうは警察庁長官もいらっしゃっています。やはりこれは、殺人事件までに発展してしまうこの家族介護の過酷さについて、ここで議論をさせていただきたい。これは、国民生活の本当に根幹にかかわることに、これから特になってまいります。
と申しますのも、私もいろいろずっと御指導していただいていますが、東京にグリーンホームという有料老人ホームがありますが、社長さんが滝上宗次郎さんとおっしゃいますけれども、この方は橋本内閣のときに経済審議会の医療・福祉作業部会の座長も務められた方なんですが、その方が「やっぱり「終のすみか」は有料老人ホーム」という本を書かれています。
私も個人的に大分御指導いただいてまいりましたが、これはそれまでの考え方をまとめられた本でありまして、この中でも指摘されていますが、本当にこれから介護については家族介護はもう無理だという前提に立ってやらなくちゃならない、そして、結局は、有料老人ホームという言われ方を今していますけれども、ついの住みかについては、民間のそうした施設型の介護にならないとやはり無理であるということが主張なんです。
私も記憶がありますが、以前は、特に医療が発達する前というのは、床に伏せったら大体一週間か二週間で残念ながら命がなくなるというか死亡されるケースが多かった。この間、大変ありがたいことに、医療の進歩によりまして私たちの寿命が延びて、本当に八十、九十、百まで生きられるという状況になってまいりまして、私の祖母も今九十六でまだ健在でございますけれども、そういう状態。今、三万人を超える百歳を超える方が、日本に御高齢者がいらっしゃる、大先輩方がいらっしゃる、これ自体は大変喜ばしいことであります。
ところが、これが裏側として大変深刻な問題を抱えておりまして、やはり介護という問題ということなんです。大体六十五歳から七十五歳になってきますと、二十人に一人が要介護状態になってまいります。七十五歳を超えてきますと、今現在二五%以上が要介護状態になります。七十五歳、いわゆる後期高齢化ですね。そのうちに、介護状態になった方で認知症の発症率というのが、八十歳を超えると十人に一人、八十五歳で五人に一人、九十歳で五人に二人、九十五歳を超えると実に五人に三人になるんです。
認知症の対応については、また改めて別個に、できれば厚生労働委員会でやらせていただきたいと思いますが、これはきょうはやりません。認知症に対する誤解が多いという点も滝上さんがこの本で指摘されていることでありますが、これはやりません。
大切なのは、きょうやりたいのは、こうした状況を家族介護に、家族に負わせようとしている今の現状について我々は深く認識をいたさないかぬ。その結果、こうした介護殺人のような悲劇が起こってくるということなんです。
この問題、私は実はことしも、当選以来、この場では余りやっていませんが、特に分科会を通して社会保障の観点から議論をしてまいりました。ある意味でいえば、起こるべくして起こっている状況なんです。
ここに「介護殺人」という本もありますが、これは二〇〇五年の二月に発行されている本です。ということは、もう既に大分前からこの介護殺人という言葉が実はあるということなんですね。たまたま最近頻発している、それをマスコミが取り上げているということでありますから、我々もそういう認識を始めていますけれども、いよいよ来たということを我々は感じないといけないと思います。
これは先ほど田端委員も御質問されていましたが、実は児童虐待の問題とかと同じことでありまして、我々、社会にいろいろなこういう問題がある、なかなか外に出てこない問題がある、これをやはり早期発見して、悲劇を未然に防ぐという手だてを打つ必要があるんです。だから、そうした手だてをどうするかということで、いろいろ私たちは議論をしなくちゃいけない。
また、この介護殺人及び先ほど議論もあったいわゆる児童虐待の問題に対しては、やはり早期発見、未然防止のために緊急にやるべきことがあると私は思っております。
きょうは厚生労働省からもいらっしゃっていますが、また改めて私がお聞きしたいのは、いわゆる介護保険ができた、そうした家族介護の悲惨さに対応するために介護保険ができたはずなんです。ところが、ことしに入ってその介護保険の現場がどうなっているか。大変大きな変化がもたらされていまして、いわゆる家族介護、家族に大変大きな負担がまたのしかかってくるような状況になっております。
きょう、厚生労働省の審議官がいらっしゃっていると思いますが、平成五年、要介護状態になる方が二百万人いました。厚生労働省の推定では、平成三十七年になってやっと五百二十万人になるということだったんです。ところが、現在、平成十七年現在、今、要介護状態の方が何人いらっしゃるでしょうか。一言お答えください。
○ 御園政府参考人 現時点で介護認定を受けている方は約四百五十万人おられる、こういう状態です。
○ 市村委員 今、平成十七年、まあ十八年現在では四百五十万です。けれども、厚生労働省があのときに、介護保険を導入したときに言ったのは、平成三十七年で五百二十万ですよ。もうあと七十万人ですよね。平成三十七年まであと二十年ありますよ。結局、このペースで行くと、もう平成二十年ぐらいには厚生労働省が言っていた五百二十万に達しちゃうんです、二十年、二十一年ごろに。わずか三年、四年ですよ、ここから。
この推定の甘さ、ここをまず厚生労働省はきちっと認識する必要があると思います。つまり、これだけ深刻になるものを、まあ三十七年でいいだろうぐらいに思っていたわけですよね。結局、ここに甘さがあるんですよ。この間、結局、三十七年を目標にしてやっているのと平成二十年を目標にしてやっているのは、対応が全然違いますよね。対応が違う。
実際にどうなったかというと、介護保険料は、平成十二年、導入されたときは三兆六千億だったのが、平成十七年、去年度で六兆八千億ですよ。もう倍増しているんです。これから大体、少なく見積もっても年五千億の、社会保障費という言い方ですけれども、年五千億ずつふえていくという状況なんですね。
だから、結局、おととし、ほとんど議論になりませんでしたけれども、介護保険の大改革のときに、こういうことを議論するべきだと私はずっと言っていたんですね、あのときも。結局、こうしたことは議論されないまま、何か筋肉トレーニングとか何か、要介護から要支援とか、そんなことばかりで、根本的なところを議論されていないんですよ。つまり、介護保険の大改革というのは、まさにこういう認識の甘さをしっかり認めた上でやらなくちゃいけなかったんです。だから、そのときから私は言ってきました、大変深刻になりますよと。もう家族介護、いわゆる在宅介護は無理ですよということは私は指摘してきましたよ。
ところが、この平成十八年の四月から行われていることは、療養病床廃止、いわゆる医療の世界ではもう見ません、社会的入院はしません、だから療養病床を廃止します。その方向性はいいと思います。それはいいんです。
しかし、受け皿となるところが全然ならないままやったおかげでどうなっているか。結局は、療養病床は、六年かけて減らしていくんですけれども、実際にどうなっているかというと、今までは、ある意味で医療の世界でただ同然、ただに近いところでやってきたのに、介護の世界の特養がいわゆるホテルコストを取るようになった、食費を取るようになった、いわゆる住居費を取るようになった。だから、一緒に療養病床も払えということになって、今二十万以上、月負担がふえているんですね。ゼロに近かったのが、今二十万以上ですよ。しかも四人部屋に押し込まれて、今、介護の世界では大体いわゆる個室が普通ですけれども、療養病床の世界では今、四人部屋ですよ。こうなってくる。
しかも、これはまだ軽い人だから入れるのであって、重い人は、もう帰ってくれ、こうなるんですね。家族がいたら、もう帰ってください、できれば週二、三回デイケアに通ってください、あとは、家族がいるならもうやってください、食事介護とかやってください、こうなるんです。
ところが、食事介護をする、まあ洗濯物に関しては、今は全自動洗濯機の発達のおかげで、私も、夜帰って入れておけば全自動でやってくれますから、干せばいいわけですけれども、食事をつくるのはやってください、食べさせるのは介護でやりましょうといったって、つくれないですよ。ということは、だれかがつくらにゃいかぬとなったら、結局は、だれかが仕事をやめるとか、どこかに外注をしておくとか、こういう発想も出てくる、こういうこともやらなくちゃいけない。
結局、家族に介護を任せるといっても、やはり無理があるんです。さっきこの議論の冒頭で申し上げたように、昔は介護期間というのは一週間とか二週間、または数カ月だったんです。今は、医療の発達のおかげで、数年から十年以上にわたって、しかも、一人ならいいですよ。例えば、昔は嫁の介護だったけれども、今は嫁という存在はもうなくなって嫁の介護ということではないわけですけれども、しかし、もし嫁の介護という言葉が残っているとした場合は、もし両方とも両親が健在であって長生きしていただいた場合は、四人の面倒を昔のいわゆる嫁が見るということになるんですね。そうすると、一人は何年かでも、四人合わせたら、ひょっとしたら十年、二十年になるかもしれない。
これをもってして、家族に任せるというのはないと思います。実際に介護保険はそういうことを考えてつくったはずなのに、この平成十八年の四月からは、またその方向に戻すような状況になってしまっていますね。今般、介護殺人の問題がこの夏ぐらいからは報道もふえてまいりました。ヤフーのブログで見ても、すごく関心がふえています。やはり、これは平成十八年の四月から、ことしの四月から行われた介護保険の大きな改革によってもたらされている悲劇の一つだ、私はこう思っています。
だから、ぜひともこれについては、これは単に今のいわゆる大先輩方だけの問題じゃなくて、これから我々だれもが老いを迎えるわけですから、全員の問題として考える必要が出てまいる問題だと私は思います。
ですので、やはり、これだけ介護は深刻なんだということをしっかりともう一度議論すべきだと思います。そして、推定の甘さを認めていただいた上で、もうあと数年後には厚生労働省が言っていた五百万人を超える体制が来るんだということを、しかも、先ほど言った発症率から考えると、今百七十万人と言われる認知症の方が、あと二十年もたつと四百万人にふえるんだ、こういう観点から、やはり私たちはしっかりと考えておく必要があると思います。そして、きちっと受け皿づくりをしていくということだと思います。
いかがでしょうか。
○ 御園政府参考人 確かに委員御指摘のように、介護保険制度が発足する前に私どもが推計していたものと現在の数字とが違っていることは確かでございますけれども、それはそれで、やはり、国民の皆さん、それから、まさに御指摘があったように家族の介護が限界があるだろう、これを社会全体で負担し合おうということでつくった介護保険が国民の皆さんの中に定着してきた結果だと思います。そのプラスの面も私どもは認めつつ、これからの介護保険制度がきちんと、御指摘のあるような破綻をしないで、円滑に運営できるような仕組みに持っていくことが必要だと思います。
それから、御指摘の、介護に疲れた殺人等の悲惨なことが起こらないようにするために、私どもも、今回、いろいろな制度的な手当てもしております。ただ、その制度だけで済む問題ではなくて、地域全体がそういう老老あるいは孤独でおられるような高齢者の皆さんをしっかりと支えていくという体制をつくっていくということが一番要求されていることだと思います。
○ 市村委員 もう時間がないので最後に申し上げますが、今、最後に、地域の皆さんとおっしゃいました。それで、地域包括支援センターができています。これは残念ながら、一部の自治体ではうまくいっているところもありますが、多くは働いていません。
私が最後に申し上げたいのは、介護殺人の問題だけじゃなくて、いわゆる児童虐待の問題にしても、また昨今、多重債務者が自殺に追い込まれるケースにしても、こういう人たちがどういう状況に陥っているかということをある意味早期発見して、いわば未然に防止する体制を整えなくちゃいけない。介護については、この地域包括支援センターという一つの理念を厚生労働省さんとしては打ち出されていますけれども、なかなか働いていない。だから、これについて、もうちょっと現実を見詰めた対応をしていただきたい。長々と申し上げません。もうそれは事前レクで申し上げておりますので、そのことでの対応をしていただきたいと思います。
私は、一つの提案として、きょうは警察庁長官がいらっしゃっていますが、やはり地域をよく知っている部署があるんです。警察とか、また、いわゆる民生委員さん、あるいは厚生労働省もそうです。それから、自治体、民間の宅配業者とか、まあ郵便局もそうですけれども、日常的に地域を回っていらっしゃる方がいるんですね。そうした人たちの声をどこかで拾う。
僕は警察がいいと思います。やはり個人のプライバシーの問題もありますから、警察がまとめていただいて、そして関係各部署にこういう状況ですよということを伝えていく仕組みがまず緊急に、将来的にはこういう地域包括センター等々の理念をもっと大きく広げていただいて整備をしていく必要があると思いますが、まずは早急に、今ある既存の組織を使ってやっていくということが必要だと思います。
そして、警察を中心として、そうした情報収集等、いわゆる早期発見、未然防止に努めていくということが必要だと私は思いますが、最後に一言ずつ、警察庁長官と国家公安委員長、それから最後に官房長官の御意見を賜って、私の質問を終わりたいと思います。
○ 漆間政府参考人 警察も、巡回連絡とかパトロールでいろいろ回りますから、その過程でいろいろ、介護の必要な人がいるとかそういう情報は入ってきますので、その辺については早くそれが関係機関に伝わるようにしたいと思います。
私は、大事なのは、やはり関係のところのネットワークがきちっと構築されることだと思っています。それの中心が警察になるのかというと、これまた、それでいいのかという、私は議論としてはあるとは思いますが、基本的には、やはりそういうネットワークを構築して、警察が中心になれというのであれば、またその方向で都道府県警察を指導していきたいと思っています。
○ 溝手国務大臣 警察庁長官が申し上げたとおりですが、地域力を強めるために、我々国家公安委員会としても警察庁を督励してまいりたいと考えております。
○ 塩崎国務大臣 介護保険の問題点についていろいろ御指摘があった点については、対策を練らなきゃいけないことは、もう早急にやらなきゃいけないこと、私も全く同じでありますけれども、先ほど厚労省から話があったように、大きな方向として、では皆さんずっと施設にいていただくのかというと、やはりちょっと違うかなという感じもいたします。ただ、受け入れの体制がないままにやるのはおかしいじゃないかという先生の御指摘もそのとおりだと思います。
いずれにしても、我が国は本来、地域社会の中で、こういった高齢者のケアあるいは子供たち、子育てを含めてのケアをする力があったはずだと私は個人的に思っています。それがいろいろなことの経緯の中で、現在のようにその力が弱ってきたところをどう補完し、どうやってこういう問題が起きないようにしていくのかということが極めて大事だと思います。
今、地域包括支援センター、新たにできたものでございますが、それと児童相談所の話があります。最近は、児童虐待に備えて児童家庭支援センターというのも新たに設けて、二十四時間、三百六十五日体制というのをつくるようにしておりますが、いずれにしても、先ほど来お話が出ているように、また御指摘があるように、ネットワークでさまざまなプレーヤーがこういった問題に対処できる、連携をどうきちっとしていくかということが大事で、その中にあって警察というのも重要な役割を果たさなければならないと私も考えておりまして、そのネットワークを強靱なものにするために、政府としても意を尽くしていかなければならない、こう思っております。
○ 市村委員 終わります。ありがとうございました。
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