沖縄及び北方問題に関する特別委員会
平成19年3月28日
○ 安住委員長 市村浩一郎君。
○ 市村委員 民主党の市村でございます。四十分いただきまして、質問させていただきたい、また議論させていただきたいと存じます。
先ほどから議論をお聞きしていますと、新しいものを沖縄においてつくっていこう、また新しい発想が必要だということであったと思います。もちろん、それは大賛成でございますが、きょう私が議論してみたいのは、むしろ今沖縄にあるものをもっと大切に守っていこう、そしてまた、それをより高めていこうという発想から、沖縄の生活そして文化というものを守る、それがやはり持続可能な社会の基盤となるのじゃないかという観点から、きょうは少し議論をさせていただきたいと存じます。
そして、沖縄北方委員会は、特に沖縄の問題におきましては、沖縄の基地の問題とか北部振興とか、そうしたことがかなり語られるわけでありますけれども、そういう沖縄本島のことではなくて、きょうはむしろ沖縄に五十五あると言われています離島に焦点を当てて、少し議論をさせていただきたいというふうに思っているわけであります。
御存じのように、離島における主要産業の一つに、サトウキビ栽培と製糖業というものがあるわけでございます。まず、きょうは農林水産省からも来ていただいていると思いますが、サトウキビ栽培、製糖業に対しまして、今政府としてはどういう取り組みを進めておられるのか、ちょっとかいつまんで教えていただきたいと存じます。
○ 佐久間政府参考人 お答えいたします。
農水省としての取り組みでございますけれども、今般、甘味資源作物の価格対策及び経営安定対策の改正によりまして、サトウキビ等の甘味資源作物については、最低生産者価格を廃止いたしまして、平成十九年度から、市場の需給事情を反映した取引価格が形成される制度に移行する、こういうこととしたところでございます。
一方、サトウキビにつきましては、その多くが零細な経営によりまして生産されているという実態等を踏まえまして、個別品目としての経営安定対策を実施することといたしておりまして、生産コストのうち販売額では賄えない部分に着目しまして、農家への直接支払いによる支援を行うということといたしております。
このような新たな対策への移行によりまして、サトウキビにつきましては、市場の動向を反映した取引価格の形成を通じまして、砂糖の需給事情が生産者に対して的確に伝えられるということ、また個人で一ヘクタールあるいは組織で四・五ヘクタールの作業規模を有する等、経営安定対策に係ります要件設定等を通じまして、作業受託等の拡大、これによります担い手でありますとか生産組織の育成等が促進されるということによりまして、サトウキビの需要に見合いました安定的な生産が図られる、このように考えているところでございます。
○ 市村委員 今のお話は、今年度から、最近になって取り組んでいらっしゃることということでありますけれども、政府としては、農林水産省が特にこの産業においてはリーダーシップをとってこられたわけですけれども、これからの長い長い、中長期的な視点においては、沖縄におけるこうしたサトウキビ栽培、製糖業というのは、これは振興すべきものと考えているのか。
それとも、今おっしゃった、需給事情に見合ったということであると、結局、市場にある種左右される、もちろん直接支払いとかするんでしょうけれども、基本的には需要と供給に見合った形でやっていくなど、市場にゆだねる部分が出てくるわけですね。そうすると、需要が減ればその分沖縄もその辺の生産量が減ってもいいということであって、そういうものはもう市場にゆだねて、沖縄の方も、それに対して影響を受けながら、だんだん縮小するなら縮小していってもいい、こういうお考えでいるのか。
それとも、いやいや、これはやはり、沖縄、特に離島におけるサトウキビ栽培及び製糖業というのは非常に重要な産業であるし、これは一産業ということよりも、沖縄の離島のある種生活を支え、かつ文化を支えているという観点から、これはやはりきちっと、保護というとまた昨今いろいろ語弊があるかもしれませんが、きちっと守っていくものというふうな考え方でやっていくのか、どっちでしょうか。
○ 佐久間政府参考人 沖縄のサトウキビについてでございますけれども、サトウキビは、沖縄県農業におきます基幹作物でありますとともに、収穫後は砂糖の原料としまして地元の工場で加工されておりますなど、地域経済の維持発展にとりまして大きな役割を果たしてきておりまして、沖縄県にとりまして重要な農産物であると認識しております。
このため、農林水産省におきまして、平成十七年の十月でございますが、さとうきび増産プロジェクト会議を立ち上げております。同会議におきましての議論あるいは産地でのいろいろな御意見を踏まえまして、十七年十二月に、さとうきび増産プロジェクト基本方針を決定いたしております。これに必要な支援を行っているところでございます。
また、地元沖縄県におきましては、これを受けまして、平成十八年の六月、県全体それから各島におきます増産に向けた取り組み目標及び取り組み計画を策定いたしておりまして、平成二十七年産におきまして九十五万トンを達成する、こういう目標を掲げながら、関係者が一体となって増産に向けた取り組みを推進されているところでございます。
○ 市村委員 議論を少しストップしまして、ちょっと基本的認識をやはり今ここで確認しておきたいと思います。
沖縄県、御存じのように、東西約千キロ、また南北約四百キロにわたる海域に、沖縄本島と五十五の離島、そのうち十五島が無人島であるということであります。先ほども冒頭で申し上げたように、やはり本島と離島ということで、置かれた状況が違うということでありますから、きょうは大変分けて考えたい、こういうことであります。
それからまた、サトウキビの位置づけということにおきまして、全農家の約七〇%がサトウキビ栽培農家であり、全耕地面積の約五〇%がサトウキビ栽培面積ということでありまして、サトウキビ産出額というのは約百三十七億円と、農業産出額の約一五%を占めるというものであります。また、今さっきから申し上げているように、サトウキビへの依存度ということに関しましては、本島よりも離島によって高まるということがまず基本的認識としてなければならない、このように思っているわけであります。
また、製糖業におきましても、今、本島に二工場、そして離島には七島に八工場、合計八島に十工場があるということでありまして、年間生産量が七万五千九百二十三トン、平成十七年度の実績でございますけれども、そのうち、本島が二万六千三十九トン、離島が四万九千八百八十四トンということであります。今のは分みつ糖というものでありまして、今度は含みつ糖でありますが、いわゆる黒糖として販売されているものでありますけれども、与那国島とか離島のみの生産になりまして、七島七工場、年間生産量が七千四百二十六トンということでありまして、これはすべて離島で生産されているということであります。それぐらいの実績を持った産業でありサトウキビ栽培であるということがまず重要である、その認識を持たなくちゃいけない。
今、農林水産省からのお話を聞きましたら、これは重要だ、それだけのものであるから重要であり、かつ、これはしっかりと守っていくものだというお考えだったというふうに思います。今の取り組みについてもう少し具体的に、じゃ、そういう重要な産業であるとするならば、これからどうしようかということについて、もう一度、具体的にちょっとかいつまんで教えていただけませんでしょうか。
○ 佐久間政府参考人 少し具体の取り組みの内容ということでございますけれども、現在、サトウキビにつきましては単収がかなり下がっているというような状況がございまして、これにはいろいろな要因が考えられるわけでございます。一つには自然災害というのもあるわけでありますけれども、ハーベスターによります機械収穫等によりまして葉などの有機物が圃場にうまく戻らないといったようなことから、地力が下がっているという問題でありますとか、収穫後の株出し管理がやや不徹底というようなことがあったりとか、さらに、農家の高齢化等によりまして栽培管理の粗放化といったようなことの影響もあるということがあります。
このため、強い農業づくり交付金でございますとかさとうきび増産プロジェクト基金等の各種の助成措置によりまして、かんがい設備や防風林の整備、栽培管理の徹底、生産組織の育成等に対しまして支援を行っているところでございます。
○ 市村委員 そういうふうにいろいろと政府としてもお取り組みをいただいているというところであるんですが、そうした今までの政府の意気込み、かけ声と実態とはどうも乖離があるようではないかというふうなことが言われているわけであります。
例えば、この沖縄県サトウキビ等の生産実績というのを独立行政法人農畜産業振興機構資料から拾いますと、平成六年度以降、キビ作農家戸数、栽培面積、収穫面積、単収、生産量、製糖量、すべての数値が低下をしているという状況であるということでございますけれども、いわゆるこれが沖縄振興策、離島振興策の実態といってもいいんでしょうか。これは大臣の方。ちょっと突然でございますけれども、結局、こういう離島にとって大変重要な産業において、もうあらゆる数値が低下をしてきているんです。後ほど、なぜそうなのかということを議論します。
まず、結局、今も議論しましたように、取り組んでいるということなんですが、実態は下がっていっているということ。だから、やはり大切なのは実態でありまして、これをどう見るかとして、これは沖縄北方大臣として、やはり全体的な沖縄の振興ということを考えていただくときにこの観点はすごく重要だと私は思っていますが、この今主要産業であるサトウキビまた製糖業についてこうしたあらゆる数値が下がってきていることに対してどういう御見解をお持ちか、まず率直にお聞かせいただきたいと思います。
○ 高市国務大臣 サトウキビの生産量でございますが、確かに近年低下傾向で、平成十六年、十七年産で六十八万トン、平成七年産が百一万トンですから、比較すると約三割減ということでございます。十八年産はやや持ち直して七十二万トン程度と聞いております。これは、農家の高齢化の進展ですとかほかの作物への転換、収穫面積が少し減ってきているということ、それから干ばつですとか台風などの自然災害の影響で近年単収が低下している、こういったことだと思いますね。特に平成十六年、十七年は、干ばつと台風による被害が非常に大きかった、そのように聞いております。
それで、その重要性ということは、もう先ほど委員が御指摘になりましたとおり、非常に、作付面積の割合ですとかそれから製糖業に関する影響、こういったものもありますので、やはりこのサトウキビ産業、サトウキビの育成及び製糖業、これは重要な位置づけであると理解しております。
○ 市村委員 今、自然の影響ということも大臣おっしゃられました。もちろん、農作物ですから当然天候に左右されるという性格を持つものということであるのですが、その前に、製糖業における政策支援の実態の中に国内産糖交付金というのがあるわけであります。この交付額というのが、実はここ数年どんどん下がってきているわけであります。平成十二年度から見ていきますと、二百十二億、十三年度が百九十四億、十四年度が百八十七億、十五年度がちょっと持ち直しまして百九十二億でございますが、十六年度が百五十四億で、十七年度が百五十二億、こういうことであります。
これまでは、豊作の翌年は少なく、不作の翌年は手厚くというのがこの交付金の周期であったのですけれども、しかし、平成十二年度以降は、実は、作柄の影響とは無関係に単価が低下傾向にあるというようなことが顕著になっている。それで、今申し上げたように交付金額の絶対額も減少しているということで、必ずしも豊作、不作ということに関係なく、平成十二年度からはこれが下がってきているという傾向があるんです。
それで、これをどう見るかということなんですが、これはちょっと農林水産省にお聞きします。農林水産省、この辺の事情を御説明いただければと思います。
○ 佐久間政府参考人 交付金の推移につきましては、平成十二年度に二百十億ほどであったものが十七年度に百五十億少々ということで、減少いたしておるというところでございますが、これについては、御指摘のように、生産量の減少とともに、交付の単価が下がっているということがございます。
この背景でございますけれども、砂糖の市況全体の動きとの関係で交付の単価を見直してきているということによります。
○ 市村委員 この平成十二年度というのが一つの転換点になっているのではないかというふうに思うところがありますが、これは農林水産省の方ならもう御存じでしょうが、平成十二年十月、どういう法律が改正されておりますでしょうか。
○ 佐久間政府参考人 平成十二年の法改正ということでございますと、御指摘のものは糖価調整法の改正ということではないかと思います。
○ 市村委員 そうですね。まさにこの糖価調整法の改正が、もともとはこれは、砂糖の価格安定等に関する法律、糖価安定法というのがあったようでございます、昭和三十九年からの法律、これが改正された、こういうふうに言われておるんですが、実態はこれまでとは全く違った新法ではないかという指摘もあるんですが、やはりこれは改正という考え方でよろしいんでしょうか。
○ 佐久間政府参考人 糖価の計算の方式が変更されているということでございますけれども、その目的につきましては、従前の法律の流れを引いて、その改正ということで対応したものでございます。
○ 市村委員 では、その糖価安定法と糖価調整法の違いというのをちょっと具体的に御説明いただけませんでしょうか。簡単に。
○ 佐久間政府参考人 十二年の改正の趣旨でございますけれども、農畜産振興機構の直接の売買というところから交付金の交付という、お金の流れの方法が変わっているというのが一番の趣旨ということだと思っております。
○ 市村委員 そのお金の流れがどのようにどう変わったか、もう少し具体的に御説明いただけませんでしょうか。
○ 佐久間政府参考人 お答えいたします。
実際に砂糖を買い上げてその代金を支払うという形と、それから、生産費との関係で、コストを十分賄うことができるという水準の交付金を交付する、こういう形で、農家、生産者の、あるいは製糖業者のということですが、受け取る支払いの形態、それが変わっているということでございます。
○ 市村委員 今交付金とおっしゃっていただいていますが、その交付金というのは一体何を主な原資としておりますでしょうか。
○ 佐久間政府参考人 この交付金の財源でございますけれども、輸入する砂糖類につきまして、内外の価格差がございますので、その価格差を調整する調整金というのを取っておりまして、それが財源となっております。
○ 市村委員 その調整金は一たんどこに入るような仕組みになっておりますでしょうか。
○ 佐久間政府参考人 農畜産振興機構のところに入ることになっております。
○ 市村委員 それがいわゆる、私申し上げましたが、今で言う独立行政法人、こういうことでございます。それはまた別の議論でありますから、きょうここでは議論をしません。
今議論をさせていただきましたように、結局、平成十二年度から、実際、新法と言われるようないわゆる糖価調整法になったということ、これが実は、この平成十二年度からのいろいろな意味の減少に影響を与えているのではないかというふうに僕は思っておるわけであります。
それで、この調整金なんですが、調整金そのものにもちょっといろいろ問題がありまして、何がどうなったかというと、例えば、この調整金を取るときに、加糖調製品というのがあるんです。加糖調製品というのは、例えば加糖あんとか、ココアをまぜたココア調製品とか、脱脂粉乳をまぜたミルク調製品とか、小麦粉や米などとまぜた穀粉調製品とか、こういうのがありまして、砂糖がこういうものとして日本に入ってくると、実は砂糖の部分について、砂糖そのもので入ってくると調整金は取られるんですが、こうやって一緒にまぜてくると、これは砂糖の分は何にもかからないんです。関税もかからないし調整金も取られないということになりまして、私も以前、何年か前にテレビでちょっとたまたま見ていたら、何か昔、小麦粉とまぜて砂糖を送るとか、そして日本で分離して売ると、結局、関税がかからないとか調整金も取られないということで、そういうケースがあったようなこともあるわけであります。だから、日本の場合はそういうふうに、取ってないんです。
それで、こういう加糖調製品に対して何も取らないという制度、何も取らない、そのままフリーパスで入っている国というのは、日本のほかにあるんでしょうか。
○ 佐久間政府参考人 まず、我が国におきます加糖調製品の取り扱いでございますけれども、砂糖につきましては、先ほど申しましたように、糖価調整制度におきまして、輸入糖に調整金を付加することによりまして、内外の砂糖の価格を調整するとともに、その調整金を主な財源として、国内の甘味資源作物生産者及び国内産糖製造事業者に対しまして政策支援を実施しているところでございます。
一方、加糖調製品につきましては、ココア粉やあん等に砂糖を加えたものということで、砂糖と異なる製品でございまして、国内産の砂糖との価格調整を行うことが難しいことから、内外の価格差調整を図るという観点ではなく、国内産業保護の観点から関税が賦課されているというところでございます。
ですので、関税が賦課されているということでございます。
○ 市村委員 例えばアメリカは今どうやっていますか。教えてください。
○ 佐久間政府参考人 アメリカにおきましては、関税がかかっていまして、関税の割り当て制度というものが行われております。
○ 市村委員 結局アメリカは、私が聞いたところによりますと、だから、例えばそういう加糖調製品であっても、砂糖部分には課税がされているということなんですね。
日本の制度とどう違うか、私もちょっとわからなくなったので、もう一回説明していただけませんでしょうか。
○ 佐久間政府参考人 我が国の制度の場合ですと、関税は単純な税率がかかるという形になってございます。
アメリカの場合、一般的な関税率とともに、それよりも低い関税を適用するという部分がありまして、それの枠、関税の枠がある、こういう形で、二段階といいますか、別のものが適用される枠があるということでございます。
○ 市村委員 ちょっとポイントを戻しますが、結局、砂糖の調整金を取ることによって、ある種、国内産業を守る原資にしてきたということなんですね。
ところが、この加糖調製品が、ある種、抜け道になっているということですね。つまり、調整金を取れないわけですね、この部分においては。最初に加糖調製品が入ったころから、シェアというのが、それは小さいかもしれませんけれども、大体七・九%、今は何と九・六%なんですね。ある種、じわじわと伸びてきているわけです、この加糖調製品が。となると、砂糖として入ってきたならば調整金として取れて、そして国内産業の保護のために回るお金が、結局、加糖調製品が伸びることによって、取りっぱぐれがある。つまり、関税というのは一般財源に入りますから、結局、沖縄のそういう製糖業を守るために使われているかどうか、使われている部分はあるのかもしれませんけれども、明確じゃないわけですね。今度は、調整金は、ある種、国内産業を保護するということで取っていたにもかかわらず、減ってきている。
私の方でちょっと計算したところによると、平成十七年度においては、例えば仮に一トン当たり三万三千円の調整金を取っていたとしますと、百三億円。つまり、加糖調製品からもきちっと調整金を取っていれば、あとプラス百三億円、いわゆる国内の産業保護に回すお金があったということなんですが、結局、それを取っていないがために、百三億円減っているということなんです、これは。
結局、沖縄全体として、ことし、内閣府として二千七百億ぐらいの予算をつけています。沖縄の北部対策として五十億、百億というようなお金を国の税金から入れているわけでありますけれども、ある意味でいえば離島を守っていくための、こうしたサトウキビ栽培や製糖業を守ろう、それはとりもなおさず、生活を守るだけじゃなくて、その離島の文化を守っていく。それで、さっき観光の話でもありましたけれども、やはりそうしたいい文化がないところというか、その独自の文化がないところに行ってもつまらないわけですね。我々はなぜ沖縄に行くか。それは、やはり沖縄の文化に触れるということになるわけです。
だから、離島の生活を守り、かつ文化を守っていく一つの大きな柱であるサトウキビ、または製糖業というもの、それを守るために調整金で入れた。でも、減っているんです、だんだん。何もかも全部、産業全体がだんだん小さくなっていっているということ。だから、これも問題である。
そのために、結局、その関連として、なぜそうなったかの一つの理由として、そもそも、守ろうとしてお金を出そうとしたのに、加糖調製品というものに対して、そこの中に含まれる砂糖に対して結局調整金を課せないということによって、例えば平成十七年、百三億円減収がある。つまり、一方で二千七百億の百億円が沖縄北部地域開発とかいって入れながら、百三億円全部が離島に入るとは限りませんが、かなりの部分の離島に入るべきお金が入っていない、こういう構図もあるんです。これは多分数十億単位なんです。平成十七年度におかれては六十億ぐらい交付金が減っているんですね、五、六十億ぐらい。
すなわち、守るといいながら、そして守るための制度もつくっておきながら、実際は取りっぱぐれたものがあって、そこには行かない。それで、だんだん、全体として、いわゆるサトウキビ栽培や製糖業が結局下降傾向にある、こういうことなんです。
すなわち、呼びかけで、農林水産省の御説明にあったように、いやいや、ちゃんとやっています、こういうことなんですが、実際はそうじゃないということで、結局、実態とかけ声に乖離があるのじゃないかということが、何を言いたいかというと、そういうことを私としては言いたかったわけであります。結果、どうなるかというと、離島の主要産業がだんだん縮小され、少なくともいい方向になっていないという状況に実は今あるんです、あるということなんです。こういう指摘があるわけです。
ですから、ちょっとここで、大臣、せっかくきょうは麻生外務大臣もいらっしゃいますから、両大臣から、特に沖縄北方担当大臣として、高市大臣として、今のこういう現状に対してどう認識を持たれて、どうすべきかということについて、ちょっと大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○ 高市国務大臣 まず、加糖調製品から輸入糖と同じ調整金を徴収するということは、これはWTOに対する日本の譲許の制約から、これをしちゃうと譲許違反となるということですから、難しいと思います。
ただ、離島の伝統的な主要産業でもあるサトウキビや製糖業、非常に近年厳しい状況にあるということで、振興策として、内閣府では、農業用水の確保ですとか農地の整備など、生産基盤整備ですね、これも計画的に進めておりますし、カンショ糖企業の経営安定のための助成措置なども行っておりますし、今後も関係省庁としっかり、予算確保面も含めて協力し合いながら、サトウキビ及び糖業の振興を図って、これは地域のコミュニティーを支えていくという面でも大切なことですので、活性化に努めてまいりたいと思っております。
○ 麻生国務大臣 サトウキビにそんなに詳しくありませんので、お断りしておきますが、最初の分の補助金の話等々は、これは多分世界貿易機構との関係ですよ。この点で、これはアメリカも輸出補助金等々を大幅に、百何億ドル減らさなくちゃいけないと大騒ぎして今WTOでやっていますけれども、この関係で、今の百三億の話も似たような話かなと思って聞いていたんですけれども、それはちょっとそういった国際約束との関係が一つあります。
それから、もう一点の話は、いろいろこっちで一生懸命やっていてもこっちはそうなっていないというようなちぐはぐに見えるところは、これは大きな組織ですからいろいろなところが出てくるんだと思いますが、多分、今のサトウキビだけのことを言わせていただければ、今申し上げたとおりのところかなと思って聞いていました。
それから、今いろいろな点について、助成という話は、これは先ほどの東先生の話じゃありませんけれども、いろいろこれまでやってきたにもかかわらず、今現状は随分、人口構成が変わってみたり、いろいろなところでどんどん変わってきていますから、そういった意味では、今言われたようなものが従来どおりとは少し違ったものになってこないと効率はよくないんじゃないのかなという感じが正直なところです。
○ 市村委員 まさに効率のことについて、しっかり生産農家が取り組むことは当然だろうと思います。何でもかんでも何か保護されればいいというものではないわけです。
私が申し上げたかったのは、要するに、せっかく大切なものとして国内産業を保護していこうというスキーム、政策を農林水産省は持っているわけですね。そのために調整金という制度も入れてできるだけ助けていこうと。いわゆる市場に解き放ったら、日本の産業はもう多分もたないわけです。これはサトウキビ、製糖業だけじゃなくて、日本のいわゆる農産物産業は、今すぐ市場にそのまま解き放たれたらなかなか太刀打ちできないものが多いと思います。だからこそ、ある種農業については各国ともいろいろな意味での補助をしているということですね。先進国は大体農業大国なわけです。そのためには、しかし、守るための制度を持ち、そこにある種税金を入れたり、こうした調整金を入れたりするような仕組みを持っているわけです。
だから、私が申し上げたかったのは、そうやって仕組みを持っていて、しかも大切だと思っているにもかかわらず、ここ数年の傾向は、少なくとも現状維持どころか、先ほど申し上げたように、作付面積から生産量からあらゆる観点で今どんどん下がってきているということなんです。
もし、結局何もやっていない、もしくはそれを目的として、もういい、ある程度縮小していけばいいんだという政策方針だったら、これはこれでいいんです。違うんですよね、何とかしようとしているわけです。何とかしようとしていて、下がってきているというところが大きな問題点でありまして、だから、私はさっき申し上げたように、かけ声と実態が乖離してきているんじゃないかということを申し上げております。
だから、もちろんこの調整金という手段が本当にいいかどうかというのはこれは議論しなければならないと思います。先ほど申し上げた、独立行政法人に入るというスキームですから、これ自体が本当にいいのかどうかというのも実は考えなくちゃならないことかもしれません。ただ、少なくとも、独立行政法人を通してそういう調整金を入れて、そして、離島だけじゃありませんけれども、いわゆるサトウキビ産業を保護していこう、製糖業を保護していこう、こういうスキームでやっているわけですから、だから、そのことが目的どおりどうもいっていないようなことがありますし、それはとりもなおさず、きょうの論点である、特に沖縄の離島においては、これはある種、生活を守り文化を守るという大切なことなんですね。
これをちゃんとしておけば、これは実は税金が入っていないんです。税金が入っていないというか、調整金というのは形の上では税金が調整金という形ですけれども、どこに転嫁されるかというと、実は消費者に転嫁されているんですね。
私は、だから、税金を入れて何か沖縄振興策をやるという形よりも、消費者がある程度、これは多分計算するとプラス一%ぐらいの負担らしいんですけれども、そのぐらいの負担をすることによって、沖縄の自立的経済、つまり、伝統的な産業を守り、自立した経済を維持し、かつ、それを発展させることによって生活が守られ文化が守られていく、新しい文化を生み出すまたその素地ができる、こういう好循環にこの話は持っていかなくちゃいけないということをきょう御指摘を申し上げたかったわけです。
特に沖縄北方担当大臣の高市大臣には、沖基地問題、北部振興とか、いろいろとこっちも大切な問題なんですが、ぜひともこの五十五の離島、無人島もありますけれども、この離島の方にも目を向けていただき、かつ、こういうサトウキビ産業、栽培、または製糖業ということに対してもぜひとも関心を持って、これに前向きな観点から、せっかくの政策が空回りするんじゃなくて、もっといい方向に回るようにぜひとも御配慮賜りたい、このことを最後にお願いしまして、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
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