沖縄及び北方問題に関する特別委員会

4月10日

○ 藤村委員長  次に、市村浩一郎君。

○ 市村委員  民主党の市村でございます。四十分いただきまして、きょうもまたいろいろ議論させていただきたいと存じます。

  まずは、北方領土問題についてでございます。

  昨年もこの場でも議論させていただきましたが、今の北方領土の現状というのは、高村大臣はあのときは、私が実効支配と申し上げたら、いや違うんだ、不法占拠だ、そういう言葉だということでございましたので、不法占拠状態が続いているという状況でございます。

  しかし、先ほども議論がありましたように、現実は、実態は住んでいる日本人はゼロでありまして、むしろアジア系でいるのは、北朝鮮人の方がロシア経由で北方領土でいろいろ仕事をされているというような現状があるという中で、もちろん返してほしい、返せというか、我が国の領土ですから、当然我が国の領土として主張をしていいわけでございますけれども、ただ、一応返せという言い方はしていますが、こういう状況の中では返せ返せと言っても多分なかなか返ってこないだろう、単に返せと言っただけでは。

  ではどうすればいいのかということについては、やはりきちっとした話し合い、また、我が国の姿勢としてもどういう姿勢を貫くのかということが必要だと思いますが、改めて、ロシアの大統領もかわりますので、今現在、日本政府とロシア政府との間でこの北方領土問題についていかなる話し合いがなされているのか、また、なされていないのかについて教えていただければと存じます。

○ 高村国務大臣  北方領土問題が未解決の現状が今後も続くことは日ロ双方の利益に合致せず、現状を打破する必要があります。この共通認識は一応あるわけであります。

  これに関しまして、昨年末、福田総理からプーチン大統領に対して親書を送りまして、平和条約締結交渉を含めたすべての分野において日ロ関係を高い次元に引き上げるべく互いに努力していくことを呼びかけました。これに対してプーチン大統領からは、日ロ関係を高い次元に引き上げることに同意するという内容の返書を受領しました。

  また、メドベージェフ次期大統領も、三月十一日に行われた福田総理との電話会談において、すべての分野で日ロ関係を高い次元に引き上げるとの福田総理の考えに同意する、平和条約という難しい問題についても、双方で達成された諸合意及び諸文書に基づき話し合いを続ける用意がある旨述べているところでございます。

  本年は、七月の北海道洞爺湖サミットの機会にロシア新大統領の訪日も予定されており、新たな日ロ関係を構築する重要な年にしたいと考えております。政府としては、日ロ関係を高い次元に引き上げるべく、領土交渉を促進するとともに、幅広い分野で関係を進展させていく考えであり、これまでの諸合意及び諸文書に基づき強い意思を持ってロシアとの交渉を進めていく考えでございます。

  先ほども述べましたように、国会の承認さえあれば、極めて近い将来、私自身、ロシアに行ってくるつもりでございます。

○ 市村委員  すべての分野で高い次元に引き上げる、ぜひともそれはやっていただきたいし、必要なことだと思います。

  ただ、私が今ここで具体的に問うておりますのは、まさに北方領土問題であります。ロシアに行かれると。ぜひとも私は行っていただきたいと思います。ただ、私はぜひとも北方四島に行っていただきたいと思います。やはり大臣みずから北方四島の現実を見てきていただきたい、心から切なる願いであります。

  見ていただくとわかるわけです、何がどうなっているのか。昨年北方四島に渡った国会議員は恐らく数少ない中で、私もその一人でありますが、やはり現状は、北方四島に住んでいらっしゃるロシア人の方は大変善良で、本当に希望されて、前回も申し上げましたが、半ば自給自足的生活を送られながらも、畑をつくったりしながら、みずから家をつくるとかそういう御努力をされながら北方四島に住み、しかも、日本に対して極めて好感を持っている。なぜならば、一番近い国は日本でありますし、医療についても食料についても日本に依存している部分があるわけであります。ビザなし渡航は、私たちも行きますが、ロシアの方も日本に来ていただいているということで、極めて親日的な方が多い中で、やはり皆さんもこの問題が解決することを心から願っていらっしゃると私は信じています。

  だからこそ、今の現状をどう打開していくか、やはり膠着状態に陥っていると私は思いますから、どう打開していくのかという知恵がないといけない、それから行動がないといけない、こう思うわけでありますが、官僚の書かれたものを読むのではなくて、大臣としてどういう志を持って、この北方四島問題についてどうお考えになるのか。それがないと、幾らロシアに行っても、まあ何とか一つの考え方というか、話し合うテーブルに着きましょうねと言い続けてきてもう何十年ですから、やはりここは具体的に、北方四島問題をきちっと前向きに解決の方向に踏み出すための御決意を大臣にこの委員会の場で語っていただきたいと思います。

○ 高村国務大臣  私の考え方が紙に書かれているわけで、それを正確に読むのが正確に伝わる、こう思いまして読みました。別に紙から離れることが強い決意だと思いませんけれども。

  やはり法と正義という立場が一つあります。ただ、法と正義だけでは国際交渉というのはなかなかうまくいかないので、やはりこれを解決したことがロシアにとって利益ですよということを、法と正義という立場も利益か利益でないかということの一部でありますけれども、そういうことをはっきりわかってもらう。最終的には、ロシア側の首脳が、解決しなければいけない、解決した方が利益だ、こう思わないと解決しないわけでありますから、今そういうふうに思ってもらうようにどういうふうに説得したらいいかということをいろいろと具体的に組み立てているところでございます。十年前も私自身、かなりやったわけでありますが、引き続いてやっていきたい。

  それで、この問題は、やはり日本はこの問題は絶対にあきらめないよということをはっきり相手方にわからせるということがまず出発点だと思うんですね。日本民族は気が短いからしばらくごまかしていればあきらめるさと相手方がもし万々が一でも思うようなことがあったら、これは引き延ばしてあきらめさせる、こういうことになるだろうと思うんです。そうじゃないんだ、これは未来永劫あきらめないんだということが相手方にしっかり伝わったときに、逆に割と早く解決するということがあり得るんだ。そして、そういう中で、現時点で解決することによってどういう利益があるということを相手方にわかってもらう、そういうことをどう組み立てていくか、具体的に組み立てて、そしてロシア側と話していきたい、こういうふうに思っております。

○ 市村委員  相手にどういう利益があるか、もちろん、それは相手もいろいろ考えていますから、そういうことを考えるでしょう。しかし、この話は、我が国としてはあそこは私たちの領土だと主張しているわけでありまして、この場合、我が国の領土にもかかわらず日本人が一人も住んでいないという現状について、向こうの利益がどうのこうのというよりも、それはやはり我が国の主張として、これは主張し続けるということをおっしゃいましたけれども、主張し続けていかなければいかぬと思うわけですね。もちろん、あきらめないと言い続けるということであります。

  しかし、事態は日本人がゼロでロシアの方がどんどんどんどんふえているという流れの中で、時間を置けば置くほど、実態上は、これはもうロシアの方しかいない。今でもそうだし、もっともっとそういう状況が続いていく。

  かつ、昨年もここで議論させていただいたように、これから二〇一五年までの間に、一千億円近いお金が北方四島に投下されようとしているという現状の中で、これを本当にどう考えるかということは、やはり向こうの利益というよりも、利益もあるでしょうけれども、まず我が国の国益を考えたときに、いかに我が国としてこれに対して対処していくのか、どうとらえて、どう対処するのかということは、本当に考えておかなくちゃいけないことだと私は思います。考えるだけじゃなくて、もう行動しなくちゃいけないことだと思います。

  ですから、南クリルとロシアでは呼んでいるそうでありますが、南クリル地域への多額の投資についても、やはり、なぜそういうことをされているのかということも、前回の議論のときは、いや、それは聞く必要もないと大臣はおっしゃったわけでありますが、私はぜひとも、ロシアに今度行かれたときには具体的にお話をしていただきたいということだと思います。

  やはり、具体的にテーブルにのせていかないと、これは始まらないはずなんですね。深謀遠慮といいますか、黙っていたら向こうも考えてくれるだろうということが万々が一あるにしても、やはり外交交渉の場というのは、ある程度きちっとそういう具体的な事項を提示しながらやっていかないと、相手は、何か大臣が来られたけれども、何にも言っていなかったよという話になると、大臣の御決意は別として、日本政府は別にこの話は大したことだと思っていないんじゃないかな、こういうふうに思われると私は思いますので、ロシアに今度渡られたときは、先ほども申し上げたように北方四島にも行っていただきたいんですが、モスクワへ行かれたときは、強い決意を持って、大臣にこの話については具体的に進展するようにぜひとも御尽力賜りたい、こう思う次第であります。答弁は、まとめて答弁を。

  それから、そのときに、今ビザなし渡航が進んでいるということで、前回もここで、昨年私は行きましたが、渡ろうと思うと、全部で五日間ぐらいとられるんですね。国会議員も、五日間とられるというのはなかなか行きづらいと思います。やはり現状を一番見なくちゃいけないのが国会議員だと思います。もちろん、墓参とかの理由で旧島民の方が行かれる。これは重要なビザなし渡航の目的でありますから、これはこれで目的をしっかりと達成するべく続けていかなくちゃいけないんですけれども。あとは、せっかく国会議員枠というのが毎回二人まであるわけでありますから、これがなかなか埋まっていないという現状は、やはり五日間もとられてしまうのはいかがなものかということから埋まっていないんじゃないかと思います。

  ですから、ビザなし渡航の枠で行くのも一つですけれども、また別の枠で国会議員が、あそこにメンデレーエフ空港というのがありますから、やはり飛行機をチャーターして行って、一泊でも、別に日帰りでも構わないんです、飛行場を使えば日帰りもできると思います。やはりそこで、現状をしっかりと我々も見ていく、そして現地の方とも交流を深めていくということが必要だと思いますが、あわせて、大臣の御見解をいただきたいと思います。飛行機をチャーターすることについて。

○ 高村国務大臣  向こうの利益よりもこっちの国益を考えろとおっしゃいますが、島が返ってくることがこっちの国益になるというのは、ここに一人も異論のある人はいないわけですよね。全員それが当然の出発点です。ただ、外交交渉の上で結果として返ってくるためには、相手にもそれが利益だと思わせないと外交交渉は成立しませんという当たり前のことを私は申し上げたつもりです。日本の国益というのは、これはまさに出発点で、外交交渉を成立させるためにどうしたらいいかということを申し上げたことであります。

  それから、私も弁護士時代から、事件があれば現地を見るというのをモットーとしてやってきた人間でありますから、現地を見たいという気持ちを強く持っております。持っておりますが、がなんということを言うとまた余りお気に召さないかもしれませんが、実は、私は沖縄にも行きたいと思っています。防衛大臣の一カ月の間に一度行きましたが、外務大臣になってからはまだ行けないというあれで、今度ロシア自体に行くことについても、まさにすき間を縫って行くような感じで、そういう感じの中でどうするか。それは、見ることは大切だということはよくわかっているということだけ申し上げさせていただきたい。具体的にいつ行けるかとかいうことは、ちょっと今申し上げられる段階でない、こういうことは申し上げておきたいと思います。

  それからもう一つは、ビザなし渡航、国会議員の枠がある、こう言いますが、私、外務大臣という立場で行く場合に、両国の法的立場を害さないで外務大臣が行く場合にどうしたらいいかという話は、またそれと別にきっちりしなければいけない話だと思っています。

○ 市村委員  もちろん、今おっしゃったことはそのとおりだと思います。

  ただ、今私がお尋ねしているのは、外務大臣が行かれるのは、それはもちろん別ルートでしょうけれども、国会議員がもっと行きやすいような道筋をもっとつくるべきだという提案をずっと申し上げているわけです。そのためには、飛行機を使うという道もあるだろうというふうに思っています。これは、行こうと思うと五日間も拘束されるわけです。だから、できる限り、それを一日とか一泊ぐらいで行けるようなルートも、ロシアとの交渉の中でまた切り開いていただきたい。

  やはり現実を見る、そうしないと、単に想像だけ膨らませてけしからぬとなるわけですね。言葉だけでけしからぬ、返せ、返せと言って返ってくるなら、私はもうこれで議論しません。でも、現実を見ると、そんな状況じゃないんだということを見てきましたから。返せ、返せで返ってきませんので。だから、具体的にどうすればいいかということは、もちろん外務大臣が日本国を代表して、ロシアに質を問うということもあるわけでしょうけれども、やはり国会議員がもっと行きやすいルートを開拓していただきたいということをお願いしているわけです。

  ただ、それはビザなし渡航の枠でもいいし、つまり旧島民の方々が一緒に飛行機に乗っていくという流れをつくっていただいてもいいし、また、ビザなし渡航は、旧島民の方の墓参等の目的のビザなし渡航は今のとおりやるけれども、国会議員は国会議員でもっと、一日、二日でやるという方法もあるかもしれません。ただ、一緒にやった方が、何で自分たちだけ四、五日もで、国会議員だけ一日、二日で帰ってこられるのかという話になっちゃいけませんから、できれば、今のやり方を根本的に改めていくことをロシア側と交渉していただきたい、こういう気持ちでありますが、一言よろしくお願いします。

○ 高村国務大臣  できるだけ行きやすい環境を整えるということは大切なことだと思いますので、今委員の御提言も踏まえて検討してまいりたい。検討した上で、ロシア側と交渉すべきは交渉する、こういうふうに思っております。

○ 市村委員  よろしくお願いします。

  それで、次に、米軍基地移転問題に移りたいと思います。

  お手元にきょうは資料があると思います。グアム新聞というものがあるようでありますが、私はグアムに行ったことはありません。グアムに行った方が、ちょっと市村さん、これを見てほしい、こういうことがあるのを知っているかということで持ってきていただいたものですけれども、二枚つづりになっているでしょうか。「レオパレスリゾート 米国防省に売却か?」こういう記事が載っているわけでありまして、ちょっと必要な部分だけ読ませていただきますと、

   日本からの消息筋によると、グアムの総合スポーツ・宿泊施設のレオパレスリゾートが、米国国防省のペンタゴンに売却される可能性があり、現在調整が進んでいる。沖縄の米軍海兵隊のグアム移転に伴うインフラの整備の一貫として検討されており、その購入費用は日本政府からの資金で賄われるが、正確な売却金額は今のところ不明。また引き渡し時期など正確な発表も現在のところまだない。

こういう話であります。

  これが実は、もう一年ぐらい前のものでございますが、前半部分はいいんです。国防省が買われるというのであれば、これはアメリカの国防省の判断でありますから、国防省がこれをぜひとも買いたいというのであれば、それは構いません。我が国が問題にすることではありません。しかし、「購入費用は日本政府からの資金で賄われる」、こういう話なわけでありますね。

  というのは、これは結局、その次の部分もちょっと読みたいと思いますが、「グアムでは沖縄の海兵隊移転に際し約一万戸の家屋が不足すると言われているが、」云々、「二月の米国のチェイニー副大統領のグアム訪問は、それの視察も兼ねていたものと思われる。」とか、先ほどの繰り返しになりますが、アメリカが、ペンタゴンがこれを買うのはいいんですけれども、この費用が日本から出ることがあるんじゃないかということが過去に書かれているわけですね。

  まず、これは事実かどうか、事実関係、こういう話が実際進んでいたのかどうかということと、進んでいるとすれば今どこまで話が進んでいるのかについて、お聞かせいただきたいと存じます。

○ 松本政府参考人  お答え申し上げます。

  今御質問の件でございますけれども、報道については私ども承知しております。ただ、米海兵隊のグアム移転については、これは海兵隊だけではなくてグアム全体で米軍の基地の増強というのが行われる予定でございまして、その関係で、今後必要となる施設であるとかあるいはインフラの詳細についての配置計画、これはマスタープランというふうに呼ばれておりますが、これについて米側で現在検討中というものでございます。

  したがいまして、現在、御指摘のリゾート施設を米側が購入、活用するといった計画でありますとか、あるいは日本側の資金で御指摘の施設を購入するという計画はないというふうに私ども承知しております。

○ 市村委員  まず、今の話は、米側が進めている途中なので、あるかないかわからないということですね。だから、まだ米側が進めている途中だから日本にその金を負担しろということはないということだというふうに受けとめました。

  ということは、ひょっとしたらまだ進んでいるかもしれないということも言えるわけでありまして、そのうちに、結局、請求書だけ回ってきて、グアム移転費用でこれをやったから、日本、どうぞお願いしますね、払ってくださいねと。ひょっとしたらトータルで請求されるかもしれませんから、いや、これじゃない、これも含めてトータル請求ということになる可能性があるのかな、こういうふうにも思いますが、その辺をちょっと具体的に教えてください。

○ 松本政府参考人  お答え申し上げます。

  今、将来のお話について御質問ございましたけれども、先ほどもちょっと申し上げましたように、現在、米側がいわゆるマスタープランを策定中だというふうに私ども承知しております。それで、その後、米側の具体的な要望というのはそのうち出てくるんだろうというふうに思います、日本側に負担してほしいというような施設が。そのときに具体的に検討して判断するというような形になります。

  そういうことで、これはあくまで一般論ということでございますが、私ども、国内で提供施設整備ということで米軍の施設を建設しているわけでございますけれども、その際、厳しい財政事情を背景に、いわゆる提供施設整備の案件採択の基準というのを定めておりまして、その中に、娯楽性でありますとか収益性が高い施設、こういったものは採択しないというような方針を有しております。そういった観点も踏まえて、将来の話でございますが、そのときになったときには、そういった観点を踏まえて判断するような形になろうかというふうに思います。

○ 市村委員  きょう小野寺副大臣がいらっしゃっていますけれども、以前、国会で、多分、小野寺さんはこの辺のことは議論されているんじゃないんでしょうか。要するに住居の単価が非常に高いんじゃないかという議論があったことを記憶しています。聞いたところ、グアムだと、一戸当たり大体一千五百万ぐらい出すとそれなりの住宅が買えるということなんですが、前この国会で議論されたのを聞いていますと、どうも単価が一戸当たり七、八千万ということで、何でこんなに高いんだという議論があったことを記憶しております。

  このリゾート、すごいんです、行ったことはありませんけれども。リゾートは別にいいんですよ、これを国防省が買いたいというのは別に構いません。それは民民の、この場合、民とアメリカ政府との商談ですから、これは別に、どうしてもペンタゴンが欲しいとおっしゃるのであれば、私はそれを批判するつもりは一切ありません。

  ただ、その費用をまさに我が国が持つというのは、これはなかなか理解は得られないぞとしか思えないわけです。そのときに、結局、これを買いたいからこれを払ってくれという言い方じゃなくて、全体的に三兆円かかって、これも入っていて、しかし、日本から負担してもらう分にはこれは入っていませんとか後から来るとなると、これは何だというふうに、これはやはり一人の国民としての感情からしても、ちょっと違うんじゃないかなと。

  それは確かに、沖縄から海兵隊が移っていただく、その負担を日本が多少見る、これは私は個人的には反対をするものではありません。必要なものは必要なものとして日本側も、これまでアメリカの防衛の力をかりて日本を守ってきたというのは事実だと思いますから、これについて、じゃ、出ていかれるんだからどうぞどうぞという話じゃなくて、多少は費用負担というのもあるとは思っています。

  しかし、こうした、野球場が二つとかサッカー場、テニス場等々、日本でも、官の組織がテニスコートとかゴルフ練習場とか、いろいろ批判を受けていますけれども、幾ら思いやりだと言おうが何と言おうが、こういうのに我が国の資金が使われるのは、これはちょっと納得ができないだろうと思います。

  そういう意味で、私にこれを持ってこられた方も、市村さん、こういうのを知っているのか、現地でこんな記事が出ていますよということで、怒りを持って私のところに来られたわけであります。これはやはり、そういう感情が普通だろう、こう思います。

  ですから、今後アメリカがどう提示してくるかわかりませんが、できれば、こういうものが入っていたら、これはないですよ、それはアメリカとして買われるならどうぞということですけれども、日本の税金を使ってさすがにここまではちょっと難しい、ただ、必要なものは必要なものとして日本がある程度見るのも大切でございましょうが、ちょっとここまでは見られないということははっきりとおっしゃっていただきたいと思いますが、外務大臣の方から一言、よろしくお願いします。

○ 高村国務大臣  怒りを持つ、こう言われましたが、日本政府にじゃなくて、こういうことを書く新聞にぜひ怒りを持っていただきたいと思います。

  これは一年ぐらい前、しかも、これを見ますと、「日本からの消息筋によると、」米軍からじゃないですよね。それで、防衛省がそんなことは全く聞いたこともないと言っているわけですから、そういう中で、米軍が進めているので、じゃ、まだあるかもしれないんですねという決めつけ方も、ちょっと違うんじゃないでしょうか。一年たって防衛省が全く聞いていないということは、これは基本的に、これがあるかのごとく想定しておっしゃらないでいただきたい。

  それから、もう一つ指摘させていただきますと、さっき三兆円とかなんとかという話がありましたが、グアム移転に三兆円かかるなどと言った人はだれもいないんですよ。だれもいないんです。三兆円というのは、別のところでそういう数字が出ちゃったというか、アメリカの一担当官が勝手なことを言いましたけれども、そんなことは日本政府は全く関知していない数字です。現時点で、それは在日米軍の再編全体についてで、グアム移転とは全く関係のないところですから、ぜひ御理解をいただきたいと思います。とりあえずそれだけ申しておきます。防衛省予算で最終的にやるわけですが、日本国民の理解を得られないようなことはない、そういうふうに考えております。

○ 市村委員  日本国民の理解が得られないことはないということでありますので、それを信じます。

  それで、次に、沖縄の離島問題について、ちょっと時間がなくなってしまいましたが、十分間かけて議論させていただきたいと思います。

  これについては、以前もこの委員会の場をおかりしましてやらせていただきました。やはり離島、私も昨年十二月に、まさに現地に行くことが大切だと思っておりますので、宮古島、石垣島に行かせていただいて、現地を見てまいりました。

  沖縄というと、観光とかビーチリゾートとかこういうイメージなんですが、もちろんそういう産業が発展していくことも重要なんですけれども、やはり何といっても、基盤となる産業がしっかりしていてこそ初めてそうした観光産業というものも栄えるわけでありまして、観光産業だけで離島が栄えるということはない。そのときに、やはり離島の今の経済を支えているのは、何といいましても製糖業だと私は思います。サトウキビを原料とした製糖業だというふうに思います。

  その製糖業の現状につきまして少し聞きたいと思いますが、本当はWTOとかEPAのこともいろいろお聞きしたかったんですけれどもちょっと時間がないので。今、政府としては、サトウキビの増産プロジェクトを進められていると存じておりますが、その状況についてお話しいただきたいと思います。

○ 道上政府参考人  お答え申し上げます。

  委員御案内のとおり、近年のサトウキビの生産量減少を受けまして、平成十七年十月にさとうきび増産プロジェクト会議を農林水産省内に立ち上げました。同年十二月にさとうきび増産プロジェクト基本方針を決定いたしまして、十八年六月に、鹿児島県、沖縄県各県ごと、さらには各島ごとの増産に向けた目標及び取り組み計画、増産計画を策定いたしました。

  この計画に基づきまして、生産者、糖業者、行政などが一体となりまして、作業受委託の促進や生産組織の育成等経営基盤の強化、ハーベスターの導入など生産基盤の強化、土壌害虫の防除など技術対策に取り組んでいるところでございます。

  沖縄県における十九年産、直近のサトウキビでございますけれども、現在、収穫が終了しつつあるところでございます。先ほど申し上げました関係者の取り組みに加えまして、十九年産、天候にもおおむね恵まれたということから、収穫面積は一万二千六百ヘクタール、これは前年と同程度でございます。単収は十アール当たり六・六トン、これは前年比で一四%増、それから生産量は八十三万九千トン、同じく一四%増と見込まれております。

  今後とも関係者一体となった取り組みを進めていくこととしておりますが、十九年産では収穫面積が増加していないということを踏まえまして、今後、二年一作の夏植え栽培から一年一作の株出し栽培への移行などを一層推進してまいりたいというふうに考えております。

○ 市村委員  三カ年の増産プロジェクトでございますから、これにもっと力を入れていっていただきたいと思いますし、現地の生産農家の皆さんの意識ももっと高めていただいて、この増産をやろうという流れをぜひとも推進していただきたいなと思います。

  それで、さっきちょっとWTOのことを間にあえて申し上げましたが、一つだけ。やはり砂糖を重要品目として、そして、市場経済で対抗すると、多分日本の砂糖はもう無理です、つくれません、終わりです。市場経済で海外の安い砂糖がどっと日本に入ってきたら、砂糖産業は日本ではもう存在し得ないという状況だと思います。

  考え方としては、それでもいいんだという考え方がひょっとしたらあるかもしれませんが、しかし、そのときに何が起こるかといいますと、単に砂糖産業がなくなるだけではなくて、例えば沖縄の離島振興という観点から、砂糖業がなくなった場合何が起こるのかということですね。やはり、これまで沖縄や沖縄の離島、例えば宮古島や石垣島その他の離島で培われてきた生活、文化というものが根本から崩れていくということになってまいりますと、政府が進めている沖縄振興という観点からも大変問題が生じると私は思いますので、重要品目にこれはやはり入れていくべきだと思いますが、これは岸田大臣からお答えいただきたいと思います。

○ 岸田国務大臣  まずサトウキビですが、沖縄県の全農家の七割が栽培をしています。それから作付面積でいきますと、六割がサトウキビであります。また農業産出額でいきますと、二割がサトウキビであります。このように、沖縄県にとりましてサトウキビというのは基幹産業だと認識をしています。

  その中で、特に離島ということを考えますと、サトウキビの生産量、沖縄本島で三割、そして離島で七割ということでありますから、重要なサトウキビの生産の中でも、離島の割合は大変重たいということを認識しております。

  そういったことから、内閣府におきましても、生産基盤整備あるいは経営安定化等のための助成措置等々さまざまな施策を推進しているところですが、沖縄県そして離島の活性化という意味で、今後ともしっかりとこうした産業を支えていかなければいけないと思っていますが、その中でのEPA交渉でありますので、こうした沖縄県における、そして離島におけるサトウキビの重要性、これをしっかり頭に入れながら、守るべきものはしっかり守るという政府の方針のもと、政府一体となって取り組んでいくべき課題だというふうに認識をしております。

○ 市村委員  失礼しました。WTOじゃなくてEPAでございます。済みません、私が間違ったんです。大臣が正しいんです。ですから、日豪EPA交渉、オーストラリアとのEPA交渉につきましては、ぜひとも今のお立場でしっかりと交渉していただきたいと存じます。

  それで、最後にちょっと残りの時間で、先ほど話がありましたように、やはり産業を発展させるためにも、ハーベスターの普及とか、あと水の管理ですね。やはり離島だと水を確保するのが大変難しいということでありまして、宮古島は地下ダムをつくられて水を補給しているということで、大変私も感銘を受けて見てきたわけであります。ただ、農業をやると、今農薬の問題もあって、地下水に農薬がしみ込んでいるということも現地の方も指摘されていますので、水質をよくしていくということについてもやはり心にとめていただきたいと思います。

  それから最後に、宮古島におけるバイオエタノール実証事業につきまして、これが、実証事業は続くらしいんですが、いわゆる最初のバイオ燃料島構想が頓挫しかかっているというか頓挫しているというような話が出ていまして、これは極めて残念だなと思うわけであります。それにつきまして、ちょっと一言、今の現状を御説明いただきたいと存じます。

○ 南川政府参考人  宮古島におけますバイオエタノール・アイランド構想、温暖化対策の一環として極めて重要な事業だと考えております。実証事業を行っております。

  現状で申しますと、当面の必要量に対応できるエタノールの製造施設を糖みつからつくるということで行っておりますが、御指摘のとおり、全島内に十九カ所給油所がございます。そのうち協力が得られておりますのは四カ所でございます。

  私どもとしましては、関係者の協力を早く得まして、ぜひ全島十九カ所すべてにおいてエタノールの販売が行われるということで対応していきたいということでございまして、対応をぜひ急ぎたいと思っております。

○ 市村委員  私もこの実証事業の場所に行ってきました。説明をいただきまして、極めていいものができている、あとは糖廃みつの処理が最後の課題だという形で伺っております。せっかくここまでやってきたものでありますから、ぜひともまたその糖廃みつの処理もしっかりとしていく。

  例えばブラジルなんというのは、一〇〇%エタノールで走っている車がたくさんあるわけですね。日本の場合、三%とか、今何とか一〇%にしようとかいう話ですけれども、もう平気で走っている、どなたかが言っていましたけれども、そんなもの、ブラジルに行くと当たり前に走っていますよと。

  だから、日本の場合も、せっかくそこまでの方向に環境対策、福田総理も脱炭素社会とかおっしゃって、政府としても大方針を掲げていらっしゃるわけですから、こういうことが頓挫しないように、これはぜひとも進めていただきたいと思います。

  そのことを最後に要望しまして、これは担当大臣から一言いただきまして、私の質問を終わりたいと思います。

○ 岸田国務大臣  宮古島のバイオエタノール・アイランド構想ですが、先ほど環境省からも答弁がありました。また、経済産業省も含めて、関係省庁、しっかりとこの構想を後押しするべく、今その対応を続けているというふうに認識をしております。

  この構想は、地球環境問題にとっても大変重要でありますし、エネルギー確保という意味でも重要かと思いますが、あわせて、地元産業振興ということを考えましても大変重要な構想だと認識をしております。沖縄担当大臣としましても、こうした構想が進むよう、しっかりと協力をしていきたいと考えております。

○ 市村委員  終わります。