内閣委員会
5月22日
○市村委員 民主党の市村でございます。
本日は、参考人の皆様には、御多用の中こうしてお時間をとっていただきましたことを、この場をかりて改めて御礼を申し上げます。
それでは、質疑に入らせていただきたいと存じます。
まず、加藤秀樹参考人の方にお伺いしたいんですが、思い起こしてみますと、十五年ほど前、私は、細川内閣の党の方の政策担当におりましたけれども、当時、細川内閣ができて、新しい、政権交代だということでいろいろ改革しようとしたとき、省庁の方が来られるわけです。いろいろおっしゃるから、私は、例えば、これはどういう権限であなた方はこうやっているんですかと言うと、まさに加藤参考人が指摘された、省庁設置法を持ってくるんですね、そのときに。ここにこう書いてあります、我々がこれを所掌しているんです、権限を持っておりますということを言っていたことを、十五年前のことを思い出します。
当時、日本新党の中でも、やはりここを変えなくちゃいけないということを私も申し上げておったんですが、私の説明が悪かったのか、これが大きな声にならなかったということで、細川さんも八カ月でやめられたということで、なかなかこれができなかった。その後、加藤さんが構想日本でこのことを大きく取り上げていただいていたということを聞いていまして、大変うれしく思ったことも思い出しますが、私もこれは大変大切だと思います。
改めて、この省庁設置法の改正もしくは削除といいますか、やめるということにつきまして、加藤参考人の思いをもう少し強く述べていただきたいと思います。
○加藤(秀)参考人 先ほどもう大分強く言ったつもりなんですけれども、これは公務員制度とやはりセットだと思うんですね。
公務員が仕事をする箱を官庁と呼んでいるわけですし、これは繰り返しになりますけれども、公務員が仕事をする根拠になるのが各法律なわけですね。
ですから、当たり前の話なわけですけれども、それがその法律よりも膨らんで、ついいろいろなことをしてしまう、これは一面ではある種の義務感だと思うんですけれども、過剰な義務感というのはやはり有害になることも多いわけですね。ここが官主導と言われていることのもとになっている。それで、さらにずっとさかのぼれば、明治以来の天皇制、そのもとにおける官制というものがあるというのは、これは専門の政治学者が指摘しているとおりだと思います。
先ほども少し例に挙げましたけれども、今、私は一つだけ、農水省の設置法というものを持ってきたんですが、この第四条が所掌事務です。それで、第四条の四号、「所掌事務に係る一般消費者の利益の保護に関すること。」というのがあります。
今、福田総理が音頭をとって進めていこうという消費者行政の一元化についても、では、農水行政に関してこの四条の第四号をどうするか、やるのか持っておくのか、こういうやりとりが必ず出てくるわけですね。したがって、これがなければ、消費者庁をどうするか、それを置いて、先ほどの省庁の統廃合も含めて、極めて手軽になるわけですね。ですから、よりはるかに機動的になるんだと私は思います。
それで、これは特殊な例ではないわけですね。世界の趨勢ですし、橋本行革のときに省の数がほぼ半分になったわけですけれども、そのときに外国人と話をする機会がありました。役所の数を半分にするのに本当に四年も五年も合計するとかかっている、物すごいエネルギーを使っているということをお話ししたところ、やはりびっくりするわけですね、何でと。役所の数なら内閣が決めればいいじゃないかということですけれども、もちろん、その背景にはいろいろな要因がある、設置法だけというわけではないですけれども、やはりこの設置法というものを盾にとるという部分が大きいのは間違いないと思います。
ですから、役人の行動だけが公務員制度改革ではないわけですから、その基本にある設置法を含めて、官庁というもののあり方を、この際、ぜひ正していただきたいなと考えております。
○市村委員 ありがとうございます。
まさに盾にとってやっていた姿を見ておりますので、ここだと私も思っております。もちろん、これだけじゃありませんが、私も、この省庁設置法についてもっと大きな議論を起こさないかぬという思いですので、本当に感謝を申し上げます。ありがとうございます。
それから、堺屋参考人にお聞きしたいんですが、まさに、堺屋参考人の問題意識は、私も若輩ながら本当に共有させていただくところでございます。
ただ、私も今まで国会におりまして、いろいろ官僚の方とも話をしていて、特に、先ほどの省庁設置法のことをお話ししたときの細川政権時代の経験が一番大きいんですが、官僚の方というのはやったふり、負けたふりをしながら実は変えさせない、したたかであり抜け目ないというお言葉もありましたが、私はそういう感想を持っておりまして、大変いい制度を仕組んだとしても、結局、どこかで変えられてしまう。
今回のものも改革基本法でありまして、では、基本法の詳細はこれからということになってきますと、この詳細のところでまたいろいろな仕組みをつくられて変わらないということになってしまっては元も子もないということでありますが、大先輩から、今度はそんなことはさせない、やったふりはさせないというようなことにつきまして強い御決意をいただきたいと思うわけでありますが、よろしくお願いします。
○堺屋参考人 まさにおっしゃるとおりでございまして、いろいろと改革をしたつもりが全然変わらない。今の橋本行革もそうでございまして、本来なら、権原のところを削除して、ようかんを切りかえるんじゃなしに、ようかんが小豆になるんだ、間の練り物はなくなる、だから、どこでも所掌だと言えるんじゃなしに、決められた法律のところだけにするんだという意気込みでやっておったんですけれども、結果としては、ようかんはそのままになったというようなことがあります。
ただ、その前提になっているのは公務員共同体なんですね。公務員共同体の利益を図るから、公務員は盛んにそれに抵抗するわけです。したがって、この一番のもとを破壊する。この公務員共同体をなくして、公務員の評価が、共同体に忠誠を尽くした評価ではなくして、国民の目線で、国会の目線で評価されるようになると発想が全く変わると思うんです。
これはまさに明治維新と同じでございまして、日本は今や明治維新的改革をしなきゃいけない。内容からいいますと、明治維新というのは、開国、それから武士の身分を廃止したこと、それから廃藩置県、地方制度を廃止した、それから新貨令という、経済、財政、これは今も大変なものです、それから教育と軍制、これを改革した。この五つなんですね、内容は。けれども、コアになるのは、まず武士の身分を廃止しないと、廃藩置県も新貨令も教育改革もできるはずがないんです。
今、日本の改革からいいますと、公務員を各省に所属した縦割りの集団から横の集団、まさに横に移動する集団にして、そして、公務員の本来の姿で、国民の目線で、国会の目線で評価するようになると、全部の発想が変わると思うんですね。だから、この改革こそ、非常に、日本がよくなるかどうかの一番根本だと思うんです。ぜひとも小異を残して大同について改革してもらいたいと思っている次第でございます。
○市村委員 ありがとうございます。
このことにつきましては、田中参考人からも、詳細は現時点では言わなくてもよいというような話もありましたけれども、では詳細はだれが考えるのかにつきまして田中参考人の方から一言。例えば幹部職員の任用のことにつきまして、詳細は現時点では言わなくてもいいだろうという御発言があったと思います。ではこれから詳細はだれが考えていくのかということにつきまして、私は大切だと思っていますので、そのことと、あと、田中参考人と加藤秀樹参考人に、田中参考人から、優秀な人材を集めなくちゃいけない、加藤秀樹参考人の方からは、一流の人材をどう集め、どう働かせるかということがありました。その優秀な人材という定義と一流の人材についての定義を教えていただきたいと存じます。
まず、田中参考人の方からお願いします。
○田中参考人 詳細は後でいいと申し上げたのは、堺屋参考人が先ほど、小異を捨てて大同につけということと同じことだと思います。
では、だれがつくるかということです。
私は、臨調のときの事務局の主任調査員という課長クラスをやっていましたけれども、以来、外人部隊をたくさん使いました。しかし、人事権がないから全然働かないかというと、そんなことはないんです。ちゃんと一生懸命働いてくれますよ。結局、素案はちゃんと公務員がつくるんです。優秀な公務員はたくさんおります。ただ、彼らは、自分がやったことが生きる、本当にできるというと非常に自信も持つし、うれしいんですよ。
そのことを大事にしない、それを破っているのは何かというと、やはり、自分よりポストの上の公務員か、あるいは政治家ですよね。特に、与党の中でうまくいかないと話にならない。それぞれの政治家のいろいろお立場はあるでしょうけれども、やはり、このことがどういう意味を持つかということでリーダーシップを振るっていただければ、私は、案は当然官僚がつくるんですけれども、生かすか殺すかというのは、結局、政治家だと思っております。(市村委員「優秀な人材についての定義を。どういう方が優秀なのかということについて」と呼ぶ)優秀なというのは、それなりの常識を持ち、それから気概、気概を持たないと、幾ら知識があっても生きないんですよ。
ですから、そのために総合職については、民主党の方では、それはやはり今の1種と同じで固定することになるのではないかということをおっしゃいます。しかし、堺屋参考人は先ほど絵で御説明になりましたが、ある程度、総合職として一般常識もあり、リーダーシップもあり、外国人とも対等にできるという能力はだれもが持っているわけではありませんから、そういうのを選抜し、それを鍛えていく。
そういう中で落ちこぼれもおるでしょうし、だめなのは排除していかなければなりませんけれども、また優秀な人は残しながら、あるいは外からも入れますから、あるいは一般職、専門職からも入れますから、そこにおのずから競争も出てくるでしょう。でも、全部が全部総合職はだめだというわけではなくて、こういう人たちの試験の仕方、選び方、そこも考えていかなければいけないと思います。
そういうふうにしてリーダーシップを持ち、広い見識を持つ人たち、そういうのは優秀だと私は思っておりますけれども。
○加藤(秀)参考人 なかなか、これは定義はしにくいと思いますけれども、やや感覚的なことを申し上げますと、まず、やはり歴史観を持ち、国家観を持ち、文明観を持ちという、いわゆるリベラルアーツ的な、基礎的な教養というのが非常に大事だと思います。その上で、なおかつ専門性を持っているということだと思います。しかも、これは、専門性というのは入省時に一〇〇%であるということはあり得ないわけですから、仕事をしていく上でそれがどんどんと向上するような仕組みとセットだと思います。
そういう意味では、ちょっとつけ足しになりますけれども、現在の仕組みというのは、そういう専門性あるいは基礎的な教養よりは、政治家に対する根回し上手、いわゆるロビーイング能力が高い人が役所ではプロモートされやすいという仕組みになっている。ここはとても残念なことですし、それは、先ほどのまた繰り返しになりますけれども、公務員が実は、政治家が本来やるべき部分に入ってしまっている、それは逆から見ますと、政治家が本来やるべきことをやっていないということになるわけですけれども、そのことの結果でもあります。したがって、改めて、政治家と官僚との明確な役割分担というのが必要になってくると思います。
もう一つだけつけ加えますと、ややもすると、私は、こんなに十年も二十年も役人バッシングを国じゅうでやっている国というのは見たことがないんですね。特にマスコミは、それをやっていればみんな見ている人の気が済むというのと、自分は正義の味方みたいな面をできる、そういう顔をしてやっておりますけれども、何か気が済むとかそんなことで、結局私はそのことが公務員のますますの劣化を招いていると思います。公務員になろうという人たちの意欲もそいでいる。中に、既になっている人の意欲もそいでいる。これは全体として見ればとても国益に反することだと思いますから、ぜひ、今回の基本法の制定がきっかけになって、ここは違う方に回っていくようにしていただきたいと考えております。
○市村委員 本当にありがとうございます。
さっき堺屋参考人から、いわゆる十二職種中、官僚が最も信用できない職種になっているとありましたけれども、恐らく、ここに政治家が選択肢に入っていたら、一番は政治家ではないかというふうに、反省をしなきゃならないと思っておるところであります。本当に、加藤秀樹参考人がおっしゃるように、これは不幸な時代だというふうに思っています。早くこれは決着をつけなきゃいかぬ、やはり新しい時代に向けて土台づくりをしっかりしなくちゃいけない、そういう思いであります。
今度は弁護士の加藤参考人にお伺いしたいんですが、まさに私は、労働基本権の確立は大切だ、こう思います。今回議論がなされていないということですが、なぜ議論がなされていないか、加藤参考人がお考えになることをおっしゃってください。
○加藤(健)参考人 私から答えづらいんですけれども、一つは、戦後すぐ労働基本権の制限がされて、それで一時、大闘争があって裁判があってということがあって、余りにないのが当たり前の時代が続き過ぎたというのが一つあります。ヨーロッパなんかでは、むしろ、あることを前提にどう調整するかということになっているわけです。
ですから、もともと戦後、本来なら憲法に基づいて労働基本権が保障された上で制度設計がされるところが、いろいろな歴史的経過で、それがないままここまで来てしまった。だから、ないことが当たり前になっているというのが大変議論がしづらい原因なのかなというのを私は率直に言って思います。
それからもう一つは、これは議論になっていないからあれなんですけれども、労働基本権を保障するということが、例えばストライキ権を与えると直ちにあしたからストライキに入るとか、あるいは労働協約締結権を与えるとすごく野方図な要求が出てくるとか、何かそういうちょっと極端な思考もあるのかなと。
民間の労働者だって、例えば病院であれば、労働関係調整法で、事前の通告ですとかあるいは保安要員の配置とか、いろいろな仕事の性質に応じていろいろな配慮をしながら、しかし権利は行使する、そういう仕組みができているわけですから、先ほど申し上げましたように、やはり、付与するかしないかという決断ですよね。
余りに今までないのが当たり前の時代で来ましたから、そこはやはり踏ん切りが必要だろう。その上で、具体的に生じるいろいろな問題点やいろいろな方が思っている不安については、具体的に手だてを考えていけばいいであろう。
国際化というのであれば、今の国際水準、それからILOの水準からいけば、国家公務員だから労働基本権は制限される、あるいは行使できなくてもやむを得ないというのはもう通用しないということがはっきりしていますから、ここは、どこかの段階で原則としてはっきりしていただきたいというふうに考えています。
○市村委員 ありがとうございます。
堺屋参考人が御指摘されたように、今、本当に大変な時代だと思います。
私は多くの公務員の方とも、私も今特別国家公務員でありますので、国家公務員としての自覚を持ちながらいろいろ議論をさせていただいておりますが、今、弁護士の加藤参考人がおっしゃったように、労働基本権を与えたからといって、すぐそれをやみくもに使うということにはならないと私は思っています。今おっしゃったように、なれていないということもあって、何かそうじゃないのか、使うんじゃないのかとかいうおそれがあるというようなことで、恐らく議論が今なされていないのかもしれません。
ただ、前提として、今、時代の大きな変革期に当たっているということ、ここをやはり公務員だろうとだれだろうと認識していかなくちゃならない。それこそ、日本が今の経済的優位性を失ったときに起こってくるいろいろな問題を考えるときに、本当に権利どころじゃない話になってきてしまっては元も子もない話でありまして、やはり今大切なのは、この国家公務員制度改革基本法の前提にあるべきなのは、未来に向けてこの国の形をどうしていくか、これがあるだろうというふうに私は思います。
その意味でこの議論をやっておりますが、あとちょっと時間がありますので。
先ほど、民主党が政官接触の禁止について否定的じゃないかという話があったと思いますが、そうではなくて、民主党は、接触については全部文書を残していってほしい、それを保存してほしい、保存したらそれを情報公開してほしいと。つまり、どういう会話が闘わされたのか、あったのか、これをちゃんと全部記録にとっていくべきだ、しかも、保存して、それを情報公開すべきだと。そうすれば、いわゆる私たちが今懸念している、裏で何か根回しされて、いつの間にか、大臣がせっかくこう言っていたのに全然違うところで話が決まっているかのような今の現状はこれでかなり是正されるだろう、こういう意見でございますが、これにつきまして、加藤参考人の方にまた御意見を賜りたいと思います。
○加藤(秀)参考人 これも先ほどの繰り返しになります。
先ほどイギリスのケースを申し上げました。これが原則、スタートだと私は思います。ただ、それを具体化していくに当たって、私自身、自信はありません。そもそもの接触をかなり狭くする、接触する人を少なくする、あるいは接触したときにはきちんと記録を残す、いろいろなやり方があると思います。これは、ある程度やりながら考えるしかないのかな、そこは柔軟に考えていけばいいのかなと思っております。
ただ、先ほどの田中参考人のお話に関連してなんですけれども、大臣が一方で言っているが、片っ方で違うことを言うということについては、これは、大臣が言っていることが絶対だ、それが最終的な決断、判断なんだというところがぐらつくということがおかしいと私は思っています。ですから、そこが先ほどの原理原則のところで、やはり、トップは大臣なんだ、そこを原則として譲ってほしくないというのは、そういう意味であります。そのためには、公務員と他の一般国会議員とのやりとりが本当に何か野方図に行われていると、そこがやはり崩れてくる。
さらに、これも繰り返しになりますけれども、大臣に権限を集中して、すべてはそこから出ていくというふうにすることが、最終的には、党が強靱さを保つ上で非常に大事だと私は思います。
現在、与野党ともに、党がどこまで強いのか、多分与党の議員の方々もいろいろ御苦労されているんだと思います。これは、やはり政権の弱さ、強さと党の弱さ、強さというのは一体だと思います。ですから、内閣よりも内閣の外にいるおれたちがもっとアピールしたいというのは十分あるわけですけれども、しかし、あくまでも内閣が与党をリードして、内閣の強さが、与党、もちろん野党も同じですけれども、全体の強さにつながるという、この原則はやはり忘れるべきではないと考えております。
○市村委員 ありがとうございます。
本当に、私も、今でもやれることがあると思っているんです。今でも、総理大臣なり大臣なりが覚悟を決めれば、さまざまなことができるんだろうと思います。ただ、それがなかなかそうなっていないということもあって、その一方で、堺屋参考人がまとめていただいたように、本当に、国家的危機に陥っているということの中で、私は、そういった意味では政権交代が重要だと思っているところなんですが、それでも、しっかりと仕組みとしてつくっておくべきだということで今この議論があるだろう、こういう認識をしております。
それで、先ほどから、もう一つの論点として天下りということがあります。
もちろん、天下りがなぜ起こるかというと、早期退職勧奨がまずあって、結局どんどんやめざるを得ないから、堺屋参考人がおっしゃるように、本当であれば、有能であれば別にだれかがあっせんしなくたって皆さん引き抜かれるわけですね、ぜひとも来てくださいと。ところが、そうならないで、どこかに行かなくちゃいけない、行かせなくちゃいけないというときに、実は大変有効だったのが、使えたのが公益法人制度だったんですね。民法三十四条があって、官僚が幾らでも組織をつくれる法律だったものですから、ここでどんどんどんどんつくって、結局天下り先にしていって、年間、フローで十二、三兆円がそこに行くような仕組みになっちゃったんです。膨れ上がりました。
しかし、公務員制度改革で、民法三十四条がいよいよ削除されるということになっておりますから、一定の方向性は出ている、こう思いますが、実際は、この公務員制度改革というのは、公益法人制度改革も行方が実は混沌としておりまして、しっかりと見据えていかないとまた同じような状況になりかねないと私は思っておりまして、これが実は懸念しているところなんです。つまり、目的、方向性は天下りをなくそうとしてやっていたのに、いつの間にかまだ残っているということがあってはならないと思います。
最後にお聞きしたいんですが、公益法人制度をなしてきた民法三十四条が削除されたことはいいんですが、今後の措置として、しっかりとこのことを見ながら、絶対天下り先に二度とさせないような仕組みにしなくちゃいけないと私は思っています。
このことにつきまして、堺屋参考人、田中参考人から、官民人材交流センターの民には恐らく公益法人も入っていると思いますので、一言ずつお言葉をいただければ幸いでございます。
○堺屋参考人 仰せのとおり、どういう制度をつくっても運用で変わっていくという問題がございます。
今の天下りの問題ですけれども、ここで一番問題なのは、各公務員が自分の官僚共同体にだけ忠誠で、それ以外の能力は極めて薄い、したがって、自分の所属した官僚共同体を利用して次に行こう、ここが問題なんですね。もし自分が所属した官僚共同体に関係なしに行ってくれるのなら、それはどこへ天下りされても、どこへ再就職されてもいい。そのかわりに市場価格で、前は高い地位におられても、今度はこの値段、この価格、この仕事ということになります。明治時代なんかは陸軍大将が中学校の校長になっている例なんかはたくさんあるわけですね。
そういうような、本当に自分の能力に応じた、そのためには、まず官僚共同体を破壊して、そこに忠誠心を持っているというのはよくない、全国民に忠誠心を持つ。一番大事なのは、今、優秀な役人というのは、倫理観が正しい、官僚共同体に尽くすのがいいのじゃなしに国民に尽くすという倫理観があると。そうすると、今度勤めたところで前の役所、前の役所と言っていないで働いてくれる人ができるから、いいんだろうと思うんです。
だから、公務員制度それから公務員の教育方法、そういったもの全体がこの天下りの問題にも重大に関係してくる。もし、そうでなくて、今の組織、官僚のままでしたら、どんなにしてもやはり抜け道を通っていくんじゃないかという感じがいたします。
○田中参考人 非常に重要なポイントでございます。公益法人の問題に限ってちょっとお話しさせていただきたいと思います。
公益法人も本来は、官僚でなくて、役所じゃなくて、公の自主的な団体が公の仕事をするということで、そもそもは悪くないんですよ。それが公務員の手にかかると、役所の手にかかると今お話しのようなことになってしまう。ですから、それをどうチェックしていくかということであります。私どものセンター懇のペーパーを見ていただくと、そこら辺の対策を書いております。
そもそも、ピラミッド形の組織はいけないんだと。いろいろな仕事の種類によって、ピラミッドがいい場合もあればフラットなのがいい場合もあります。でも、マックス・ウェーバーが言ったように、非常にピラミッドの組織というのは効率的なんですね。ですから、どうしても組織というものは、いろいろな命令者がおったら困りますから、研究ならいいですよ、普通の組織はピラミッドにならざるを得ないし、またそれはそれで前提にしなければいけない。
その上に立って、定年をどう延ばし、再雇用をどうしというようなことを考えて、しかも、長く置けば置くほど、これは税金を使っているわけですから、そのことも考えないといけないわけです。だからといって、定年が六十になっているのに五十六、七で、今五十七歳ぐらいがやめている年齢ですけれども、はい、さようならというわけにはいかないわけです。だから、一方では税金を使う、一方では本人の人権があるということでありますから、逐次経過措置を見ながら進めていかざるを得ない、そういうものだと思います。
したがって、人材交流センターをせっかくつくり上げたわけですから、どういうふうにしたらうまくいくのか、今委員おっしゃるような問題を解決していくのかということを歩きながら考えていただきたい、そういうふうに思います。希望です。
○市村委員 どうもありがとうございました。